中古ワンルームマンション投資の失敗例と対策

Failure cases and measures of used one-room apartment investment

中古の物件は価格が比較的安く、ワンルームマンションであればハードルが低く感じられるため、投資先として検討したことがある方は多いのではないでしょうか。しかし、中古ワンルームマンションならではのリスクも存在します。

ここでは、中古ワンルームマンションへの投資の失敗例を見ながら、失敗しないための対策をご紹介します。

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中古ワンルームマンション投資の失敗例

まずは、中古ワンルームマンションへの投資の失敗例を2パターン見ていきます。

例1:老朽化のため、多額の設備交換費用がかかるパターン

不動産投資初心者のAさんが選んだのは、都内の築25年の中古ワンルームマンションでした。一見何も問題はなく、比較的お買い得だったので購入を決めました。しかし、購入してしばらく経った頃にガス湯沸かし器が故障してしまい、洗面所や台所、風呂への給湯ができなくなってしまいました。

その原因は、ガス湯沸かし器が建築当時の基準で作られていたために構造的な問題があったこと、更には長期間の利用によって老朽化していたことでした。

ガス湯沸かし器は生活に欠かすことのできない設備なのですぐに交換を余儀なくされ、50万円ほどの設備の修繕・交換費用を払うことになりました。また、大幅な改修が必要だったので復旧に数日掛かってしまい、それを不便だと思った入居者が退居してしまうという、更なる打撃を受けました。

このように、旧型設備であることや老朽化を原因として、多額の修繕費を負担しなくてはならなくなったり、空室が出てしまったりする事態は、中古ワンルームマンションへの投資では起こりやすい失敗です。場合によっては数百万円にも及ぶ損失を受けることもあるので、注意が必要です。

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例2:空室率が高く家賃収入を十分に得られないパターン

同じく初めての不動産投資であったBさんは、郊外の築15年の中古ワンルームマンションを投資先に選びました。都心の物件に比べて安く購入でき、計算上では10%近い高利回りの投資ができるということで購入を決めました。しかし実際には、入居者が思うように決まらず空室の期間が続き、想定していた利回りを大きく下回ることになってしまいました。

このような場合、原因はいくつか考えられます。

一つ目は、郊外という立地です。大都市圏の人口の流れとして、バブル期までは人口の郊外流出が起きていたものの、1990年代以降、都心部の人口が増加するという、都心回帰現象が生じています。そのため郊外での中古ワンルームマンションへの需要が大きく減ってしまっていることが考えられます。

二つ目が中古という点です。中古物件の場合、設備が古いため流行に合っていない可能性があります。例えば現在多くの入居者に好まれる傾向がある風呂・トイレが別の間取りではなく、トイレ、風呂、洗面所が一体となっている3点ユニットバスが採用されているケースが挙げられます。設備面で入居者のニーズに合っていないと物件への需要は大きく減ってしまいます。

このように、利回りのみを重視した土地選びの失敗や、中古が故のニーズの低下は、中古ワンルームマンションへの投資によく見られる失敗例です。

中古ワンルームマンション投資のリスク

上記で紹介した失敗例を見ていく中で、様々なリスクがあることが分かったと思います。しかし、想定されるリスクはその他にもありますし、一方で中古物件ならではのメリットもあります。ここからは中古ワンルームマンションへの投資のリスクとメリットを見ていきます。

設備交換費用のリスク

失敗例1に関わるリスクです。中古ワンルームマンションの設備は老朽化している可能性があります。また、大きく老朽化していないとしても新築ワンルームマンションに比べて耐用年数が短いことが多いのは事実です。そのため、設備の修繕・交換費用が多くかかってしまうリスクはほぼ避けられません。

空室リスク

失敗例1と2の両方に関わるリスクです。中古ワンルームマンションは空室リスクが大きいと言えますが、その原因はいくつかあります。築年数が経っているが故の設備の不便さ、流行・ニーズに合っていないこと、物件のあるエリアに需要が少ないことなどが考えられます。不動産投資では空室リスクは直接的なダメージになるので、できる限り回避したい部分です。

瑕疵のリスク

瑕疵とは、不動産が通常備えているべき機能が欠けていること、つまり欠陥です。具体的には給排水管の故障や腐食、シロアリ被害、雨漏り等が挙げられます。中古物件の場合、このような瑕疵がある可能性が比較的高いです。
一般的には、購入時に気付かなかった瑕疵に対しては瑕疵担保責任を求めることができ、一定期間内であれば売主が修繕費の補償を行う契約になっていることが多くあります。しかし瑕疵担保責任を免除する契約となっている場合や、契約上定めた期間を過ぎてしまった場合等には、自ら修繕費を負担しなくてはいけなくなる可能性もあります。

家賃保証契約のリスク

中古ワンルームマンションに投資する際は、良い条件で不動産投資ローンの融資を受けるために、家賃保証契約を結ぶこともあるでしょう。家賃保証契約とは、入居者が家賃を滞納した時や空室が出た時でも、家賃から手数料を引いた一定金額をオーナーに支払ってくれる契約です。

これは空室対策という面では安心であるものの、入居者がいる通常時にも高い手数料を払わなくてはいけないというデメリットもあります。また、家賃の設定を自由に行えない契約が多く、家賃保証会社が自社の利益を保つために家賃を下げて空室を埋めることもあり、十分な金額を受け取れない可能性もあります。家賃保証金額が不動産投資ローンの返済額を下回ってしまえば、損失を出してしまいます。そのため家賃保証契約があれば全く安心だと言えるわけではありません。

耐震基準のリスク

中古物件の場合、新耐震基準を満たしていない可能性もあるので注意が必要です。旧耐震基準は震度5程度の地震に耐え得る基準であるのに対し、新耐震基準では震度6強以上の地震で倒れないことが求められています。1995年の阪神淡路大震災で軽微な被害もしくは無被害に抑えられた物件が、旧耐震基準で建てられた建物では3割程度しかない一方、新耐震基準で建てられた建物の場合は7割以上だったことからも、安全性の違いは一目瞭然です。震度5以上の地震は珍しくなく、旧耐震基準では不安が残ります。

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既存の入居者に関してのリスク

中古ワンルームマンションへの投資では、既に入居者がいる状態で物件を購入しオーナーになることもあります。既にいる入居者にきちんとした連帯保証人がいない、トラブルを抱えている等の可能性もあるので注意しましょう。
また、既存の入居者が長い間入居している場合は、入居当初の高い家賃のままで入居している可能性があります。この場合、その入居者が退居した後の新しい入居者の家賃は、経年劣化を考慮した額にする必要があり、一気に家賃が下がることも考えられます。

中古ワンルームマンション投資のメリット

一方で、中古ワンルームマンションならではのメリットもあります。

価格が安い

まず新築ワンルームマンションやファミリータイプのマンションに比べて価格が安いことが挙げられます。価格が安く購入しやすいので、築年数や立地の違う中古ワンルームマンションの部屋を複数運用して投資のリスクを分散させることもできます。

利回りが高い

利回りは、年間家賃収入から諸経費を引いた金額を、物件購入時の費用の額で割った上で100を掛けることで計算される値であり、投資した金額をどれだけ回収することができるのかを表します。中古ワンルームマンションは価格が安いので利回りが高くなりやすく、特に人気のあるエリアの物件では新築物件と家賃があまり変わらず更に利回りが高くなる場合もあります。

管理状態が分かる

新築物件の場合、今後物件がどのように管理されていくのかは実際に購入してからでないと分かりません。一方で中古物件の場合は、実際に物件の状態を見て管理の質を見極めた上で購入することができます。管理状態の良いマンションであれば、入居者が住み続けてくれる可能性も高くなります。

中古ワンルームマンション投資で失敗しないための対策

先程、中古ワンルームマンションへの投資に伴うリスクを挙げましたが、十分な対策を行うことでこれらのリスクを軽減することができます。ここからは中古ワンルームマンションへの投資に失敗しないための対策法を紹介していきます。

マンションの管理状態の確認

修繕費のリスクなどは、マンションの管理状態を確認することによって低減させることができます。特に確認すべきポイントは、マンションの修繕が定期的に行われているかどうか、修繕積立金がきちんと貯まっているかどうかです。この2点がしっかりしている物件では過度な修繕費が発生する可能性が低いと考えられます。

立地選定を上手に行う

空室リスクを回避するには、立地選定がとても重要です。人口が減少しているエリアは避ける、できるだけ駅に近い物件にする等の対策が考えられます。しかしそうした好条件の物件は競争が激しく価格も高くなりがちです。購入価格と立地の良さがちょうど良くなるような物件選びをするためにも、各エリアの状況や市場の動向に詳しい不動産会社を選び、十分に相談するのが良いでしょう。

瑕疵担保責任の確認

瑕疵のリスクは、瑕疵担保責任の規定や、瑕疵があった場合の補償についての説明をしっかり確認することで軽減できます。中古ワンルームマンションの契約では、瑕疵担保責任の期間が数か月という短い期間に設定されがちで、最悪の場合、売主の瑕疵担保責任を免除する契約になっていることもあります。まずは瑕疵担保責任についての説明がされているか、その期間はいつまでなのかをきちんと確認しましょう。
更に、瑕疵担保責任の期間を過ぎてから発見された瑕疵については自費での修繕となることが多いので、期間内に一度、住宅診断を行うとより安心です。簡単な診断は一回5万円程度から可能です。

関連記事:瑕疵担保責任とは?「隠れた瑕疵」とはどんなもの?

家賃保証契約の内容確認

家賃保証契約に伴うリスクを軽減させるため、契約内容の確認は必須です。確認のポイントは、周辺の似た条件の物件と比べて家賃保証設定額が適切かどうかです。手数料を多く取っている場合や、最初は家賃保証額を高くして客引きを行い、すぐに家賃保証額を下げてくるような悪質な業者でないか等を見極める必要があります。

新耐震基準の確認

耐震に関するリスクを回避するには、購入する不動産が新耐震基準を満たしているかどうか確認する必要があります。大まかに言えば、建築基準法施行令が改正されて新耐震基準が導入されたのは1981年6月1日なので、それ以降に新耐震基準に基づいて建てられたマンションの竣工日は、1982年夏以降もしくは1983年以降になるだろうと考えられます。しかしこれはあくまで確認のための目安なので、改めて正確に確認する必要はあります。

物件管理の実績値がある不動産会社を選ぶ

総合的にリスクを軽減させるという意味では、物件管理実績があり、物件をよく理解している不動産会社を選ぶことはとても重要です。特に自社で販売した物件を中古で再び販売していたり、管理も請け負ったりしている不動産会社は、物件の状態をよく知っているので、購入前に十分な情報を提供してもらえれば急なリスクに見舞われることは少ないでしょう。

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中古マンションがよいか、新築マンションがよいかの見極めも重要

ワンルームマンション投資をはじめとした不動産投資は、中古マンションがよいのか新築マンションがよいのかという見極めも重要です。そのときの基準になるのは、中古・新築マンション価格推移と今後のマンション投資予測になります。

中古・新築マンションの価格推移をチェックしよう

まずは、都心や地方ごとの中古・新築マンションの価格推移をチェックします。調べ方としては、たとえば新築であれば国土交通省の資料、中古マンションであれば東京カンテイなどの資料で価格推移をチェックすることが可能です。

ただし、これらの資料は大まかなエリアしか分からず、たとえば「○○駅周辺」や「××市周辺」などのピンポイントの価格推移は分かりません。そのため、ピンポイントなエリアの価格情報は不動産会社にヒアリングすることになります。不動産会社であればレインズで過去の成約事例などを確認できるので、ピンポイントで中古・新築マンションの価格推移を確認できるでしょう。

価格推移を確認することができれば、たとえば「新築は高騰しているが、まだ中古は上がり切っていない」と判断することもできますし、あるいは「中古と比較して新築が安い。新築を買うなら今がチャンス」と判断できるかもしれません。

参考ページ:国土交通省_平成30年度 住宅経済関連データ

参考ページ:東京カンテイ/中古マンション価格(年間版)

今後のマンション投資予測を立てよう

今度のマンション投資予測から、中古と新築を判断することができます。たとえば、最近はリノベーションが流行ってきたこともあり、「新築至上主義」は昔よりは薄れています。その影響で、金融機関も中古の担保評価を高くする、つまり中古でも融資が下りやすくなる可能性があります。そうなれば、中古でも低金利で借入できる可能性があり、中古を買うという判断ができます。

あるいは、あるエリアで新築の供給が極めて少ない場合、そのエリアでは「新築マンション需要が高まる」と予測できるので、多少割高でも収益は確保できるかもしれません。

これらの判断に正解はありませんが、大事なのは不動産投資の知識をつけて信頼できるパートナーとなる不動産管理会社を見つけることです。そこから得た質の高い情報こそが、精度の高い投資予測を生み出します。

まとめ

今回は、中古ワンルームマンションへの投資での失敗例やリスク、メリット、対策について確認しました。中古ワンルームマンションにはメリットが多くある一方で、リスクも多くあります。そのため不動産投資に関する知識を身に付けてしっかりと対策できるかが成功を左右します。しかし、それを全て自力で行うのは容易ではありません。マンションの価格推移をチェックする、信用できる不動産会社を選びサポートを受けながら精度の高い投資予測を立てるなど行うと良いでしょう。

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