アパート経営による不動産投資は失敗しやすい?知っておくべき4つの事例

アパート経営による不動産投資は失敗しやすい?知っておくべき4つの事例

アパートへの不動産投資は、まとまった資産形成が可能であることや空室リスクの分散・収益性などに特徴があり、金融緩和でサラリーマンも融資を受けやすくなったことから注目を集めています。しかし実際のところは儲からなかったり失敗をしたという体験も多く語られています。そこで今回は、アパート経営での失敗例をいくつかご紹介し、どのようなリスクが潜んでいるのか探っていきます。

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人気のない立地・環境のアパートは失敗のもと

失敗例1:所有していた田畑にアパートを建てたが・・・

農業をリタイアして、もとの農地にアパートを建てて運営。しかし、入居者がなかなかつかず、銀行への毎月の返済が不足し火の車となってしまった。
アパート経営で失敗しないためには、自身の所有している土地を単純に利用するのではなく、立地の条件と環境を考えなければなりません

アパート立地の評価

まずは、立地条件の重要性から解説します。立地の確認には町の人口と物件数を利用します。人口に対して物件数が少ないほど、アパート需要が高いと考えていいでしょう。それだけ一軒家よりアパートやマンションに住んでいる人が多いことを意味しているからです。

また、そもそもの人口規模も重要です。人口が減少しつつある郊外でアパートを経営しても満室経営できる可能性は低く、ローンの返済が滞ってしまう可能性が高くなります。

アパート周辺環境の評価

立地条件以外にも、周囲の環境に合わせたアパート経営が求められます。例えば、学生が多く住む地域ならば一人暮らし用のワンルームアパートを建設するとよいでしょう。反対に、近くに小中学校や病院が多く、医療費を助成してくれるような子育てのしやすい自治体の場合は複数個部屋がある広いファミリーマンションを経営するのが適していると言えます。

立地でもう一つ考慮するべきなのは物件周辺の将来性です。将来性を考える手がかりとなる情報をいくつかご紹介します。まず、建設中の駅や路線に注目することです。現在は多少不便な立地でも交通の便の改善が図られて都市部へのアクセスが良くなれば、人は集まってきます。したがって、新交通網や新駅の設置計画を調べるようにしましょう。

また、コンパクトシティという構想に基づいて都市計画が進められている地区は将来性に期待できます。コンパクトシティという言葉を聞いたことがない方もいるかもしれません。コンパクトシティとは必要な施設が近距離に集約された、生活圏がコンパクトに収まった街のことを言います。現在このコンセプトに沿った開発が盛んに行われています。都市がコンパクトになることで都市を取り巻く農地や緑地の消失を防いだり、交通の分散による渋滞の緩和が期待できたり、様々な機能を都市部に置くことで中心市街地の活性化などが可能になります。

コンパクトシティに限らず、アパート経営に取り組む際にはその地域の状況をよく把握して投資を行う必要があります。立地と環境の評価なしには、投資の成功はあり得ません。

 

内容を理解しないままのサブリース契約は危険

失敗例2:サブリース金額が下落した

10年のサブリース契約でアパートを提案してきた会社があり、その会社に管理を一任していたが、突然サブリース金額の減額を一方的に通知され、当初想定していた家賃収入額が見込めなくなった。

サブリースとは不動産会社がオーナーから賃貸住宅を借り上げ、第三者に転貸するシステムのことを指します。サブリースの魅力としては、多くの不動産投資で行われている「家賃保証」です。サブリースでは入居者がいてもいなくても毎月一定の賃料がオーナーに入ることが保証されます。

この契約において、家賃保証をした不動産会社が物件のオーナーに支払う一定の賃料のことをサブリース金額といいます。サブリース契約は確かに知識があまりない不動産投資の経営者には優れものに見えますが、落とし穴も多く存在します。その最たるものがサブリース金額の減額です。

サブリース金額の再設定と免責条項

そもそもどの会社も一定期間ごとにサブリース金額の改定をすることが契約に明記されています。保証家賃は物件の稼働率、空室率を基準にして概ね二年ごとに再設定されます。そのため、入居者の減少や築年数の経過に伴い保証料も減額されます。

また、家賃保証に免責期間が用意されている場合もあります。これはアパートに空室が出た場合、入居者を集めるための期間(2~6か月)はサブリース金額の支払い義務を免責するという契約です。免責期間であればたとえ入居者が決まっても賃料はオーナーのもとには入ってきません。不動産会社側にのみ有利な免責期間の取り決めではないかを確認しなければなりません。

また、敷金・礼金・更新料・保証金などがオーナーのもとに入ってこないのもサブリースの特徴です。物件は不動産会社が借り上げているので、入居者との契約はサブリース会社が当事者になります。そのため契約に伴う種々の収益はサブリース会社が管理することになるのです。

このようにサブリースは一見魅力的なものですが、本質を理解していないと不動産会社にのみ有利なものとなり、オーナーは得をしないこともあります。サブリースを考えるときは不動産会社との契約を理解し、十分な知識を持って臨む必要があります。

 

追加投資の判断に失敗してしまう

失敗例3:改善のための追加投資でさらなる赤字へ

アパート経営を行って、経過年数が過ぎてきて空室が目立つようになり、賃料収入も返済金額のほうが上回ることが常習化した際に、もう一棟購入することにより収支が改善されるという提案を信じたが、その購入したアパートも低稼働になり、結果的に支出が増額してしまった。

投資物件の追加購入による事業拡大は効果的だと言われています。不動産投資は家賃収入という他人資本を利用して利益を手に入れるため、収益源である物件が多いほど多くの利益を素早く手に入れることができるからです。

しかし、買い増しも戦略的に行わなければ、投資計画は頓挫してしまいます。特に所有物件がすでに赤字経営に陥っている場合、その赤字を他の物件からの収益で補填するという考え方はあまり健全とは言えません。

追加投資による収益改善の難しさ

それでも打開策として追加投資を行いたい場合には、より慎重かつ計画的な投資が求められます。これまでに強調してきた立地や契約内容の精査はもちろん、どの程度の棟数を購入するかも重要です。というのも、経営状況を好転したい場合、追加購入が1棟や2棟では不十分だと言われているからです。事業拡大によって経営不振を持ち直すには少なくとも5棟ほどの購入が必要だと言われています。

地方のアパートだとしても、それほどの数を同時に購入するとなれば、購入費用もさすがに大きくなります。すでに赤字経営に陥っていたのなら、その大部分をローンでまかなうことになるでしょう。当然、ローンの返済額は大きくなり、相応のリスクを抱えることにもなってしまいます。

しかし、複数のアパートを同時に経営することで、赤字状態のアパートの売却手続きを進めるゆとりを得ることができます。複数棟所有によるリスク分散と単独物件への収益の依存性を下げることにより、投資計画に新しい一手を追加することができるのです。

アパートの売却

不動産を売却することでまとまった資金を手に入れることができます。その資金を生活資金に充てることもできれば、ほかの物件への投資に充てることもできます。

しかし、経営していたアパートの売却の実現には長い期間が必要となります。不動産の買い手を得て換金するまでには、最低でも数ヶ月は見込まなければなりません。不動産投資全体が赤字のままでは、希望売却額を大幅に下げてでも速やかな売却をせざるを得なくなってしまいます。

その点で、追加投資によって収益バランスを取るのは選択肢の一つではあります。しかし、不動産投資の基本が立地や物件の将来性を正しく評価して、堅実に利益を上げることであることは強調しておきます。

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リフォームと修繕コストの不適切な見通しが招く誤算

失敗例4:リフォーム・修繕のコストの予測に失敗

購入時に想定したリフォームや修繕費用の見積もりが甘かったことにより、年数を重ねるごとにキャッシュフローが圧迫されてしまった。手放そうにもローンの返済が残っており、売却もできず、結果的に手出しキャッシュにて補填する以外になくなってしまった。

アパート経営で忘れてはならないコストにリフォーム、修繕費があります。一般的にアパートの建設方法には三種類あります。木造、鉄骨造(S造)、鉄筋コンクリート造(RC造)です。構造により劣化速度は変化しますが、どの構造であってもリフォーム修繕費はいずれ発生します。特に木造アパートは老朽化が進みやすく、外観が大きく変わってしまいます。外観が悪いと借り手は避けてしまうのでリフォームをしてアパートをきれいに保たなければなりません。

修繕費とは?

そもそもアパート経営の修繕費には、大規模修繕と維持修繕の二種類があります。大規模修繕にも二種類あり、単に痛んだところを直して古くなった設備をとりかえるものと、これまでの住宅を一新してリニューアルするものがあります。

このうち最も費用がかかるのはリニューアルです。同時に、長期的に見て最も効果が高いのもリニューアルです。物件を時代に合わせた、古びていないものに保つためには、10年から15年に一度大規模修繕を行わなければなりません。大規模修繕には一回で数百万円かかる場合もあるので、修繕費を積み立てておく必要があります。

また、修繕にもオーナーが払わなければいけないものと入居者が払わなければいけないものの二種類があります。入居者が住んだことによる自然な汚れや故障はオーナーに負担義務があります。しかし入居者によって作られた傷や汚れ、取り扱いが乱雑だったことによって故障した設備の修繕費は入居者が負担することになっています。その費用は入居時に徴収した敷金からまかなわれます。

 

修繕費の予測ミスはなぜおこるのか

アパート経営で修繕費を積み立てるのは広く知られた手法です。しかし、思いがけずに修繕費が足りなくなることも多く、投資計画の失敗の元になることも知られています。陥りやすい失敗を学んでおきましょう。

中古アパートには注意!

中古のアパートを購入する際には修繕履歴を確認することが特に大切です。アパートの修繕は10年から15年に一度行うべきです。そのため、築年数が10年以上経っている中古アパートの購入を検討する際は、購入直後に大規模修繕を行わなければいけない可能性があります。その場合、アパートの購入価格とは別に修繕費も考慮しなければいけません。

長期修繕計画の見直しが必要!

国土交通省のガイドラインでも、長期修繕計画を一定期間ごとに見直すことが必要だと指摘されています。修繕積立金は将来見込まれる修繕工事の内容、時期、大まかな費用から考慮した長期修繕計画に基づいて設定されます。修繕計画作成時の予測と異なる劣化が生じることがあるのはもちろん、修繕工事の実施時には異なる技術を用いた工事になる可能性もあります。修繕計画を一定期間ごとに見直し、修繕積立金を再考するのは必要不可欠な作業なのです。

 

まとめ

今回はアパート経営の失敗例を通じて、そのリスクを説明しました。ほかの不動産投資に比べアパート経営は少ない資産で始めることはできますが、赤字経営に陥ったり資産価値がほとんどなくなったりと、リスクも大きいのが特徴です。失敗しないためにもアパート経営の失敗パターンから学び、慎重な投資計画とともに経営を始めましょう。

また、他の物件種別や種別だけではない失敗要因は存在します。下記の記事も合わせてご覧ください。
参考記事:不動産投資で失敗に陥ってしまう原因と回避する方法とは?

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