意外とリスクが大きい?競売物件のメリットとデメリットについて理解しよう

ドミノ

競売物件とは、債務不履行に陥った債務者の所有する不動産が差し押さえられたあと、裁判所が入札方式で販売する物件のことを言います。競売物件には魅力もある一方で、リスクも多く存在します。今回は、そんな競売物件のメリットとデメリットについて解説していきます。

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競売物件と一般の物件の違いは?

競売とは、裁判所が差し押さえた物件を入札で売り出すことを言います。持ち主が借金などの債務を履行しない場合に裁判所によって差し押さえられた物件が対象になります。競売は民事執行法に基づいて行われるため、宅地建物取引業法などに基づいて売買される一般物件とは以下の点で大きく異なります。

・入札方式で売り出される

・物件を基本的に内覧できない

・瑕疵担保責任などの本来売り手が負うべき責任がない

競売物件のメリットって?

競売物件のメリットは大きく3つあります。

物件を割安で購入できる

競売物件は一般の物件の相場と比較して3割以上安く購入できるといわれています。なぜなら、競売物件の購入者が購入後の物件にまつわる諸費用を負担しなくてはならないからです。評価額はすでにこのことを加味して、相場よりも安く設定されています。

購入後の負担については「競売物件のデメリットって?」の章で詳しく説明します。

多様な物件が売り出される

競売物件は裁判所によって公平に売り出されます。立地の特殊性や建物の特殊性から市場になかなか流通しないような物件も競売に掛けられることがあります。このため一般には購入しづらい物件を探す際に活用できます。

権利に関する手続きが簡単

裁判所から購入することになるため、所有権の移転登記や抵当権の抹消登記など、物件の権利関係の手続きを裁判所と進めることができます。したがって、一般の物件よりも手続き処理の負担が小さくなります。

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競売物件のデメリットって?

得られる情報が制限されている

競売物件は基本的に内覧することができません。競売物件についての諸情報は裁判所が作成する「三点セット」と呼ばれる資料を参考にすることになります。

三点セット」とは「物件明細書」、「現況調査報告書」、「評価書」の三つの資料のことです。それぞれ記載されている情報の内容は以下の通りになります。

・物件明細書

主に物件に関する権利についてまとめてあります。競売後にも引き継がなければならない賃借権の権利の有無が記載されています。賃借権がある場合、すでに物件を借りている人がいることを意味します。賃借人を追い出すには理由が必要となります。

また、土地もしくは建物だけを買い受けた時、建物のために底地を使用する権利が成立するかどうかなどが記載されています。

・現況調査報告書

主に物件の使用状況についてまとめてあります。この資料は裁判所から実際に現地に派遣された執行官が作成にあたります。

土地がどのように利用されているか、建物の種類・構造など不動産の現状について記載され、不動産の内部の写真が添付されています。内覧することが難しい競売物件において、この報告書は貴重な資料となります。

また、不動産を占有している人の氏名、その人にその物件を占有する権限があるかどうかなども記載されています。取引成立後に占有者に退去を要求しなければならないこともあるため、よく確認しておく必要があります。

なお、これらの資料は競売に掛けられる数か月前に作成されているため、資料作成後に生じた変化については記載されません。

・評価書

競売物件の周辺の環境や評価額が記載され、不動産の図面などが添付されています。この評価は裁判所が選定した不動産鑑定士によるものです。一般の物件の相場に対して、競売によって売り出されていることを考慮した評価がされます。また、不動産の図面は、内装の写真とあわせて、物件の内部を知る上での貴重な資料となります。

入札までの期間が限られている

競売は入札をする日が定められています。入札期間は1週間から1か月であり、その間に入札額を決定しなくてはなりません。個人で競売に参加する場合、この期日までに情報を集めて妥当な入札額を見積もる必要があります。

引き渡し義務がない

競売によって引き継がれるのは物件明細書に記載された権利です。占有者から物件を引き渡してもらうことや、物件の中に残されている占有者の物品(残留物)の取り扱いはすべて購入者の仕事となります。残留物の所有権は物件の購入者には移らないため、勝手に処分することができません。

いわゆる「ゴミ屋敷」におけるゴミも残留物として扱われるので勝手に処分することはできません。また、占有者が立ち退きに応じない場合、強制執行をして立ち退いてもらうことになります。強制執行の手続きを行うのも物件の購入者となります。

瑕疵担保責任がない

通常、購入後の物件に重大な欠陥が見つかった場合、売主がその欠陥、つまり瑕疵の責任を負わなくてはなりません。この責任を瑕疵担保責任と言います。競売物件ではこの責任を負う人がいません。

そのため、購入後に瑕疵が見つかったとしても、その修繕費などはすべて購入者の負担となります。内覧ができないこととあわせて、購入後の追加出費が発生するリスクを大きくしています。

瑕疵担保責任について詳しく知りたい方は下記の記事を参照してください。

関連記事:瑕疵担保責任とは?「隠れた瑕疵」とはどんなもの?

入札したところで購入できるとは限らない

入札までには情報の収集、物件に入札するかどうかの吟味、入札額の決定などの手間がかかります。しかし、入札したところで、自分よりも高額の入札があれば購入することはもちろんできません。それまでに掛けた手間は水の泡となってしまいます。

競売物件を選ぶ際の注意点は?

競売物件を買うにあたって注意しなくてはならない点を解説します。

購入後発生する諸費用を考慮する

通常の売買では購入後の物件で瑕疵が発見されると、売主が修繕費を負担しなくてはなりません。しかし競売物件の場合、瑕疵が購入後に発見されても修繕は購入者の負担となります

また、引き渡しの際、鍵がない場合もあります。その場合は専門の業者に開錠を依頼する必要があります。こうした諸経費が発生することを見越して、入札額を考える必要があります。

現地に赴いて視察する

裁判所の用意する「三点セット」を熟読することはもちろん大切なことですが、これらの資料は作成されてから時間が経っています。内覧することはできなくても実際に現地に赴いて外観や周囲の環境を視察することができます。情報を集めて、適正な入札額を考えなければならないのです。

競売代行サービスを利用する

競売は短期間のうちに多くの手続きを踏まなくてはなりません。副業として不動産投資をしている人には短期間に集中した調査時間を確保しにくいかもしれません。また、情報収集能力については、やはり法人のほうが優れています。その点、個人で優良な競売物件を安く購入するのは困難です。

競売物件を購入する方法の一つとして、競売代行サービスを利用する方法があります。情報の収集や入札のアドバイス、落札物件の占有者との交渉などを請け負うサービスです。ただし、サービスを利用するにあたっては、成果報酬型のサービスの利用をおすすめします。競売では必ず落札できるとは限らないからです。

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競売物件の購入までの流れは?

競売物件を購入するまでの大きな流れは以下の通りになります。

①物件購入の予算を決定する
②物件を探す
③入札する
④開札される
⑤売却許可決定が下る
⑥代金を納付する
⑦所有権移転登記
⑧物件の引き渡し

各ステップについて細かく説明していきます。

①物件購入の予算を決定する

まずは、予算額を検討します。ローンの利用などを視野に入れる場合は、金融機関との相談も予めしておくとよいでしょう。

②物件を探す

競売物件を探しましょう。探し方としては、実際に裁判所に赴き競売物件の情報を閲覧する方法、競売物件の情報を提供するインターネットのサイトを利用する、新聞の競売広告から見つける、などが挙げられます。

物件種別、事件番号、所在地、築年数、最低売却価格、入札期間、開札期日などの事項が公告されているので、購入したいと思う条件と照らし合わせ、めぼしい物件については「三点セット」を確認しましょう。

「三点セット」も裁判所の閲覧室、またはインターネットサイトにて公開されています。また、現地に赴いての調査もこのタイミングで行います。

③入札する

購入したい物件を絞ることができたら、入札の手続きを踏みます。入札は以下のステップで行われます。

・保証金振り込み

保証金を振り込みます。金融機関で裁判所専用の振り込み用紙を利用して、裁判所によって定められた額を振り込みます。この額は、裁判所によって定められた売却基準価額(入札できる最低額)の20%以上に設定されます。期間入札の公告に記載されている「買受申出保証額」で知ることができます。

この保証金は、落札できなかった場合返金されます。しかし、落札した上で、購入を辞退する場合、保証金は返金されませんのでご注意ください。

・書類の提出

保証金を振り込んだ後、必要な書類を揃えて、執行官宛てに郵送するか、執行官の元へ持参する必要があります。必要な書類とは具体的に、(1)入札書、(2)入札保証金振込証明書、(3)住民票となります。

(1)入札書は地方裁判所で入手することができます。「事件番号」と「物件番号」、そして「入札価額」を記入します。ときに「入札価額」の桁をひとつ誤って記入してしまう失敗が起こります。

その場合、落札したとしても予定の10倍以上の値段で購入することになります。購入を辞退することは可能ですが保証金は返金されないので、くれぐれもお気を付けください。

(2)入札保証金振込証明書も地方裁判所で入手できます。この用紙に金融機関で受け取った「保管金受入手続添付書」を貼付し、「入札保証金提出者」欄で使用した印鑑と同じ印鑑で割印をします。また、この用紙は折り曲げ厳禁です。

(3)住民票は個人で入札する際に必要となります。法人が入札する場合は代表者事項証明書又は登記事項証明書が代わりに必要です。これらはすべて発行してから3か月以内のものでなくてはなりません。

④開札される

開札日に、インターネットサイトまたは裁判所で開札結果が発表されます。最高価額を記入した人が落札者となります。

⑤売却許可決定が下る

裁判所が落札者に購入資格があるかどうかなどを調査し、問題がなければ落札者に売却許可決定が下されます。

⑥代金を納付する

売却許可決定が確定すると、代金納付通知書が裁判所から送られます。通知された期限以内に、入札価額から保証金を除いた残額を振り込み、または持参によって納付します。この期間以内に納付しなかった場合、買い受ける権利を失い、保証金も返ってきません。

⑦所有権移転登記

代金納付が完了すると、裁判所によって、所有権の移転と抹消すべき抵当権・賃借権等の抹消登記の手続きが進められます。その後、裁判所から「登記識別情報通知書」が送られます。この書類は所有権を証明するものになるので大切に保管しなくてはなりません。

⑧物件の引き渡し

引き渡しは購入者の責任で行われます。不動産が受け渡されない場合、裁判所に引き渡し命令の申し立てを行い、引き渡し命令を出すことになります。さらに、引き渡し命令が出てもなお占有者が自発的に立ち退きしない場合、強制執行をすることになります。この際に発生する費用はすべて購入者の負担となります。

まとめ

以上の解説からもわかるように、競売物件には価格の安さを中心にいくつかのメリットもありますが、手間をかけて入札しても落札できなかったり、購入後の瑕疵担保責任者の不在や引き渡し手続きの手間から追加の費用が生じたりするなど、それ以上にデメリットも多くあります。メリットのみに目を奪われて安易な気持ちで利用してしまうことのないよう気を付けましょう。

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ABOUTこの記事をかいた人

大平 優

プロパティエージェント㈱アセットプランニング部 次長 親しみやすい性格でお客様とのコミュニケーションを大切にし、その中で浮かび上がってきた課題を冷静に分析。不動産・不動産サービスを通じて正確なロジックと緻密なシミュレーションを武器に、お客様の将来的な課題を解決へと導く。