不動産投資で地震がリスクって、本当?

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地震大国である日本で不動産投資を行う場合、どうしても地震による建物の損壊の影響が気になるところです。今回は、不動産投資をするにあたって、地震に気を付けるためにはどうすればよいのか、どういった対策を立てればよいのかという点について解説します。

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不動産投資における地震のリスクは?

不動産投資は、資産運用においてミドルリスク・ミドルリターンと言われています。しかし不動産投資にも、「空室リスク」「家賃滞納リスク」「物件価値下落リスク」「火災リスク」などいくつかのリスクがあり、事前に適切にリスクヘッジしなければ十分なリターンが得られない場合があります。

中でも地震や台風などの自然災害によるリスクは、完全に回避することは不可能です。しかし、地震のリスクは立地や建物の性質に大きく依存するため、購入時に以下のようなポイントに注意して物件を慎重に選べば、リスクを最小化することが可能となります。

物件の耐震性

物件の耐震性を最低限保証する耐震基準には、「新耐震基準」「旧耐震基準」があります。
地震に強い物件を選ぶ際には、「新耐震基準」が適用されて建設された物件かどうかを確認することが必要です。

「新耐震基準」は、1981年に改正された建築基準法において見直された耐震基準です。
新耐震基準は、1978年に起きた宮城県沖地震を教訓として、震度6強の大地震でも倒壊しないことを前提としています。

ちなみに、東日本大震災にて倒壊したマンションは0棟、熊本地震にて倒壊したマンション1棟です。
詳細を見ていくと

【東日本大震災】
・棟数は85,798棟、管理戸数は 4,295,636戸
・大破は0棟、中破は61棟(0.071%)、小破は1,070棟(1.247%)
(参照:東日本大震災 被災状況調査報告

【熊本地震】
棟数は7,610棟
大破は1棟(0.02%)、中破は5棟(0.08%)、小破は151棟(2.53%)
( 参照:九州地方における会員受託マンションの被災状況の概要について

過去史上最大の地震でも倒壊は0棟でした。残念ながら熊本地震では1棟倒壊しておりますが、このマンションは昭和47年~5 6年に建てられたもので昭和56年に施行された新耐震基準以前のものとなります。
従来の旧耐震基準では、震度6強の大地震に対して特に規定されておらず相対的に地震リスクが高いと言えます。1982年以降に建てられた物件であっても旧耐震基準に則っている場合があるため、建築年のチェックのみでなく耐震基準を確認しましょう。

また、旧耐震基準に則っていながらも丈夫に作られていたり、新耐震基準に則っていながらも施工ミスなどで耐震性が低かったりする場合があります。もちろん耐震基準のチェックも必要ですが、実際に自分の目で建物の状態を判断することが理想的でしょう。

投資エリアの分散

物件を選ぶ際、その場所が地震に強い土地かどうかは誰もが重要と判断するでしょう。しかしいくら地震に強い土地といっても、その場所に一極集中で、複数の物件を購入することはあまりおすすめできません。

たしかに投資効率を考えれば、一極集中の不動産投資の方が優れています。しかし地震に強い土地でも被害に合う確率はゼロではなく、地震以外の台風などの災害も考慮に入れれば、一極集中の不動産投資は非常にリスクが高いです。そのリスクヘッジの観点からも、投資エリアを選定する際、地域を分散させるのが基本と言えます。

しかし投資規模が小さい場合などはエリアを広げることで、自主管理しにくいといったデメリットが出てきます。このようなデメリットは、地域分散のメリットを上回ってしまうこともあるため、一概に分散投資が優れているともいえません。自らの投資目的や規模を考慮して、適切なエリア分散を考えることが得策と言えるでしょう。

地域分散の実例

本項では、実際に複数のエリアで投資を行うことで地域分散を行っているAさんの実例をご紹介します。

【Aさんのプロフィール】
・33歳
・男性
・年収750万円
・不動産投資歴4年

【Aさんがご所有の物件】

物件① 物件②
立地 都営地下鉄浅草線「戸越」駅 徒歩5分 相鉄線「西横浜」駅 徒歩5分
購入価格 2,500万円 1,990万円

 

Aさんが物件①を購入する決め手となったのは、戸越駅から徒歩5分、また徒歩8分圏内に4駅3路線利用可能という好ポジションかつ、かの有名な戸越銀座商店街に程近い物件で高需要という点でした。

実際に物件①を見に行き、街並み・立地・物件の質を確認したところいずれも完璧でした。
物件①をとても気に入ったためもう1室購入しようか検討しましたが、震災を含めた自然災害へのリスク分散を考慮して、もう1室は別の地域で購入することにしました。このような経緯があり、物件②を購入することにしました。

物件②を購入する決め手となったのは、西横浜駅から徒歩5分という好立地に加え、横浜駅まで4分、品川駅まで20分でアクセス可能という汎用性も高さでした。またAppleが横浜に研究開発拠点を設置するなど、注目度が高かった点と、賃料相場が都内より低い分、新築マンションとしてはかなりコストパフォーマンスが良かった点が決定打となりました。

【Aさんの事例からわかること】
Aさんの事例では、同じマンションにもう一室欲しいという意欲がありながらも自然災害のリスクを考慮し、別の物件を購入しました。
このように、意図的に自然災害のリスクを回避していくということも重要であると言えます。

しかし実際には、不動産投資を行うエリアを都合よく地域分散をさせることは難しいので、同じマンションで2室3室を購入するという方法が主流になりつつあります。リスクとリターンのバランスをどのように捉えるかということは、それぞれの投資家の個性が反映されると言ってもいいでしょう。

地震のリスクが高い地域は?

地震リスクの地域性を考えるにあたって、地震の被害の大小は地盤の強さによって変化することを抑えておく必要があります。
地盤とは、明確に定義はされていませんが、多くの場合で地面のうち建物を支える比較的浅い部分のことを意味します。
いくら耐震性の高い建物だったとしても、その地盤が地震に弱い軟弱なものであれば効果は発揮できません。

また、地盤の強さは地震と密接に関連しています。

単純に地盤が弱ければ地震に弱いということに加えて、地震による地盤の液状化の影響で、地盤が更に弱くなるといった事態も考えられます。
液状化とは、地下水位の高い砂地盤において、地震の影響で以下の図のように上層部が液状化する現象を言います。
地盤の液状化が発生すると、地盤沈下によって建物に甚大な被害をもたらします。実際に東日本大震災の際には、被災地から遠く離れた東京湾周辺の地域まで液状化が起こってしまいました。
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液状化現象のイメージ

例えば、東京都内で不動産投資を始めることを考えた場合、地震リスクが低い地域は山地や丘陵地、世田谷区や練馬区などが含まれる山の手台地が挙げられます。これらの地域の地盤は形成された年代が古いため、地震の影響を受けにくいと言われています。

反対に地震リスクが高い地域は、東京湾周辺や江戸川区などが含まれる東部地域の沖積低地、千代田区や港区の一部に見られる谷底低地が挙げられます。これらの地盤は海面下の堆積物で構成されており、地震の際に液状化の影響を受けやすいと言われているので注意が必要です。

地盤の強さの情報はこちらのサイトで調べることができるため、利用してみることをおすすめします。

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地震保険とは

いくら地震に強い物件を選んだとしても、地震が起きてしまう場合はあります。そんなときのリスクヘッジとして、加入しておくべきなのが地震保険です。
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不動産投資において、風災保険や雪災保険などいくつかの保険がありますが、その中でも最もポピュラーなのが火災保険です。
地震保険への加入は任意のため加入していない投資家も見られますが、東日本大震災の発生により、近年はその存在が重要視されています。
当社の場合は占有部に関しては全てのお客様にスタンダードで地震保険も加入していただいております。

地震保険は1964年の新潟地震を契機として、被災者の生活の安定に寄与することを目的に設立されました。
地震保険は建物の倒壊だけではなく、地震や噴火、または地震に由来する津波による、火災や埋没、流失など幅広い損害を補償します。
反対に、地震を原因として起きた火災は、火災保険では補償されません。

また地震保険は、火災保険と必ずセットで加入しなければならず、火災保険だけ加入している人でも途中から地震保険に加入できることが特徴です。
補償の対象となるのは、居住用の建物と家財で、居住用でない工場・オフィスなどの建物や、有価証券、車などは対象外となります。

また地震保険の他にはない特徴として、政府による再保険で成り立っているということが挙げられます。
東日本大震災のような甚大な被害が発生した場合、民間の保険会社だけでは保険金をまかなうことができません。
そのため、政府が国会の議決で定めた金額を超えない範囲で政府が再保険金を支払い、円滑な保険金の支払いをサポートしています。

被害の全額を地震保険でカバーできるわけではない

地震保険は、地震によって被った損害を必ずしもすべて補償するものではありません。保険金額は火災保険の金額の30〜50%の範囲内で設定が可能で、上限金額は建物で5,000万円、家財で1,000万円と定められています。

加えて、その損害の度合いを一定の基準で査定することで、保険金額を決定します。認定基準は、保険金額の100%が支払われる「全損」、60%が支払われる「大半損」、30%が支払われる「小半損」、5%が支払われる「一部損」の4段階に区別されます。基準は以下のように判断されます。
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地震保険の認定基準

建物 家財
全損 主要構造部の損害額が、時価額の50%以上となった場合、又は焼失もしくは流失した部分の床面積が、その建物の延床面積の70%以上となった場合 損害額が保険の対象である家財全体の時価額の80%以上となった場合
大半損 主要構造部の損害額が、時価額の40%以上50%未満となった場合、又は焼失もしくは流失した部分の床面積が、その建物の延床面積の50%以上70%未満となった場合 損害額が保険の対象である家財全体の時価額の60%以上80%未満となった場合
小半損 主要構造部の損害額が、時価額の20%以上40%未満となった場合、又は焼失もしくは流失した部分の床面積が、その建物の延床面積の20%以上50%未満となった場合 損害額が保険の対象である家財全体の時価額の30%以上60%未満となった場合
一部損 主要構造部の損害額が、時価額の3%以上20%未満となった場合、又は建物が床上浸水もしくは地盤面45cmを超える浸水で、損害が全損・大半損・小半損に至らなかった場合 損害額が保険の対象である家財全体の時価額の10%以上30%未満となった場合

 

例えば、家は無事だったものの壁に一部ヒビが入ってしまった場合は、その損害の度合いを時価額から判断します。ヒビによる損害が3%以上であれば「一部損」と認められるため、5%の保険金を受け取ることができます。

また、地震を原因とした液状化の被害についても、以下の認定基準により地震保険が適用されます。

傾斜 沈下
全損 1°を超える場合 30cmを超える場合
大半損 0.5°を超え、1°以下の場合 15cmを超え、30cm以下の場合
小半損 0.2°を超え、0.5°以下の場合 10cmを超え、15cm以下の場合

条件等を総合的に勘案し、判断することが重要

不動産投資をするにあたって、地震保険は加入するに越したことはありませんが、注意点としては地震保険料で投資不動産を選定することは望ましくないということが言えます。

地震保険の保険料は、その物件の地域の地震リスクの大小や、物件自体の構造によっても金額が変化します。例えば、太平洋沖の南海トラフ地震が危惧される近年では、その地震リスクが高いと考えられる東京、千葉、神奈川、静岡などで比較的高い保険料が設定されています。同様に構造では、建物が耐火・準耐火構造物かどうかが重視されています。

ここから、地震保険の保険料が安い地域ではリスクが低く、投資に向いているのではと考えてしまいがちです。しかし、不動産投資における地震リスクは、複数あるリスクのうちの1つに過ぎません。他の利便性などの条件を総合的に勘案し、投資不動産を選定することが重要です。

おわりに

一瞬ですべてを失いかねない地震は、不動産投資をする上で必ず対策が必要です。しかしその分、地震保険への加入や耐震補強など、コストがかかることも念頭に置いておく必要もあります。これらの対策をすることでリスクを軽減できるという意識のもと、安定したリターンを得られる不動産投資を始めてみてはいかがでしょうか。

また、投資に関してはポートフォリオを組むことも大事になってきますので、以下のポートフォリオに関しての記事もあわせてご覧ください。
関連記事:20代必見!資産運用で重要な”理想的なポートフォリオ”の作り方

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ABOUTこの記事をかいた人

平松 裕紀

プロパティエージェント㈱アセットプランニング部 次長 10年間で約300件の契約実績を誇る。約75億円の取引に携わる。 現在は、会社のビジョンに向けてグループの運営を行う。 商談に直接参加するのはご紹介と定期的な既存顧客のプランニングが メインとなる。 お客様の大切にされている価値観から課題を抽出、解決し、より良い新たな人生に導く。