アパートの建築費用はどのくらい?損をしないための見積もり方法とは

アパートの建築費用はどのくらい?損をしないための見積もり方法とは

アパート経営をお考えなら、まずは初期費用がどの程度かかるのかを理解しておく必要があります。一軒家の建築費用については大体の相場をご存じかもしれませんが、戸数の多いアパートとなると計算方法も複雑になるため、当初のイメージとかけ離れていたという声がしばしば聞かれます。今回は、アパートの建築費用について詳しくご説明します。

アパートの建築費用についての基本事項

アパートの建築費用としては、建物の建築費、トイレや洗面台などの住宅設備費、土地を未購入の場合は土地購入費などが挙げられますが、細かいものも含めるときりがありません。まずはこれら建築費用のうち最も大きい比率を占める建物の建築費について説明します。

建築費は坪単価で決まる

どんな種類の建物でも、建築費は基本的に「坪単価」での単位表記が統一されています。坪単価とは、1坪あたりの建物の建築費であり、

建築費÷建物の延床面積(坪)=坪単価

で表されます。したがって坪単価が安ければ、当然建築費も安く済みます。

造りによって坪単価は変わる

坪単価は建物のタイプによって変わってきます。建物のタイプは木造や鉄筋コンクリート造などの建物構造の違いや階数の違いなどの組み合わせで決まります。一般に木造で低層の建物の方が坪単価は安くなります。

しかし全ての建物を木造で作れるわけではありません。強度や性質の違いなどから、建物の性質に応じて建物構造が選ばれます。価格が大きく変わる点であるため、なぜその建物構造が必要になるのかはよく理解しておきましょう。

木造住宅

木材を組んで造る工法です。木材は火災発生時に燃えてしまうため、防災の観点から階数が多いアパートの素材には選ばれません。また、鉄筋コンクリートなどに比べると強度も高くはなく、高層建築は技術的にも法令的にも困難です。木造アパートを建築する場合、2~3階建てが主流です。

木造住宅のメリット

  • 素材が安く、坪単価も安い
  • 熱伝導率が低く、比較的夏は涼しく、冬は暖かい
  • 吸湿性に優れている

木造住宅のデメリット

  • 耐火性に乏しい
  • 虫害を受ける
  • 品質にばらつきがでやすい
  • 防音性に乏しい
  • 耐用年数が短い

素材別にみると、圧倒的に坪単価が安く、大体の相場は40~70万円/坪です。耐久性は他の素材と比べると劣りますが、日本では伝統的に木造住宅が親しまれており、一軒家や低層アパートでは今日でも頻繁に利用されています。投資可能額が少なめの人に勧めたい建物構造です。

軽量鉄骨造住宅

軽量鉄骨造住宅では、軽め・薄めの鋼材を大量に組み合わせる方法を採っています。鋼材はあらかじめ工場にて大量生産され、現場でそれを組み立てる工法です。工期が短いため、鉄筋コンクリート造と比べると坪単価を安く収めることができます。ただし軽量鉄骨造であっても、2階建てが標準的です。

軽量鉄骨造住宅のメリット

  • 坪単価が比較的安い
  • 工期が短く済む
  • 鉄骨が折れにくく、地震などで倒壊しにくい
  • 品質のばらつきが少ない
  • 耐久性がある
  • 地盤を心配する必要がなく、建てやすい

軽量鉄骨造住宅のデメリット

  • 防音性に乏しい
  • リフォームがしづらい
  • 錆びやすい
  • 通気性が悪い

軽量鉄骨造住宅の大体の相場は50~80万円/坪です。木造よりも坪単価は高くなりますが、耐久性や耐震性を考えると、軽量鉄骨造住宅の方が勝るでしょう。また、2階建ての建物によく使われていて、3階建て以上の鉄骨造住宅ではより大きな鋼材を使う重量鉄骨住宅とするのが一般的です。木造住宅よりも長持ちするので、長期にわたってアパート経営を考えている方におすすめの建物構造です。

鉄筋コンクリート造住宅

鉄筋コンクリート造住宅は、コンクリートに鉄筋を埋め込んだ素材を使って建てられています。コンクリートは圧縮に強く、引っ張りに弱いのですが、鉄筋はその逆であり、お互いの長所同士を掛け合わせて素材が作られています。このため耐久性は上記の二つと比べて抜群に高く、さらに耐火性や耐震性、防音性も高いので、4階以上の中・高層マンションに使われています。

鉄筋コンクリート造住宅のメリット

  • 耐久性・耐火性・耐震性に優れている
  • 防音性に優れている
  • 防錆性に優れている

鉄筋コンクリート造住宅のデメリット

  • 坪単価が高い
  • 建物が重く、強い地盤が必要

鉄筋コンクリート造住宅の坪単価の大体の相場は、70~100万円/坪です。坪単価が高く、比較的大きい建物の素材に使われがちで、アパートの素材としてはあまり主流ではありません。中・高層マンションを経営したい方にはおすすめです。

一般的なアパートの建築費用

ここからは実際に造りの違う建物を建てた場合の建築費用を、坪単価を用いて算出していきます。

算出式は先ほどご紹介した式を変形させた、

坪単価×延床面積(坪)=建築費用

という形です。

木造住宅の具体的な建築費用

まずは、木造住宅の場合を見てみましょう。先ほど、木造住宅の坪単価は40~70万円/坪と紹介しました。ここでは55万円/坪として概算してみます。間取りについては、2階建てのアパートで1LDKの部屋を4部屋揃えるものを想定します。この場合、延床面積が60坪あれば建設可能でしょう。

このアパートの建築費を概算すると、

55万円/坪×60(坪)=3,300万円

となります。

軽量鉄骨造住宅の具体的な建築費用

軽量鉄骨造住宅の場合、坪単価は50~80万円/坪でした。ここでは65万円/坪として概算します。間取りについては、木造住宅の時に参考にしたものと同様のものを想定すると、このアパートの大体の建築費は、

65万円/坪×60(坪)=3,900万円

となります。

鉄筋コンクリート造住宅の具体的な建築費用

鉄筋コンクリート造住宅に関しては、中・高層マンションであることが大半で、鉄筋コンクリートがアパートの素材に使われることはあまりありません。これまでの例に用いた物件を鉄筋コンクリート造で建てるとは考えにくいので、ここでは具体的な建築費用の算出は控えます。

アパートの建築費用の見積もり方法

造りの違うアパートの建築費を比較したところで、次にその見積もり方法をご紹介します。先ほどまでは、アパート経営を考えるにあたって、事前に用意する金額の目安について考察してきました。実際にアパートを建設するには大手のハウスメーカーや、工務店などと相談して設計図を固めていく必要があり、この際には前々から大体の予算を組んでおくとスムーズに話を進められるでしょう。

複数の業者に見積もりを申請するのは当たり前

素材や間取りが同じでも、見積もり業者によって提示される予算額は変わります。より良い物件を造るために色々な業者へ見積もりを依頼して、比較するのがよいでしょう。アパート経営では短くても5~10年は同じアパートを管理して収入を得ることになります。少しでも信頼できる業者に施工を依頼するようにしましょう。

なお、一般に業者へ連絡すれば無料で見積もりを作成してもらえます。積極的に見積もりを依頼し、5~7社くらいの見積もりを比べれば、情報が不足することはまずありません。

見積もりを比較する際には、ポイントを明確に定めておく

見積もりを比較する際に大切なことは、自分にとって譲らないポイントを決めることです。例えば、

  • 部屋数は最低でも4部屋あり、キッチンと寝室は分かれている
  • ロフトがある構造で、予算を6,000万円以内に収める

といったようになるべく具体的な条件を決めると、自ずと建物構造が決まります。最終的には、最も自分の要望を聞き入れてくれて、なおかつ採算の良い物件を提示してくれた業者と契約するようにしましょう。

業者選びではサポートの充実度も重要なポイント

自分の希望を多く取り入れてくれる点も重要ですが、建設後の保証サービスも重要です。家電製品を買うときに保証サービスで購入元を選ぶ方は多いと思いますが、アパートを建てる際もこれと変わりません。

業者ごとの対応の違いは、その業者がハウスメーカーか工務店かという違いによって生じています。契約先を決める前に、それぞれに依頼する場合の長短を理解しておきましょう。

ハウスメーカーの特徴

ハウスメーカーの特徴は、工務店と比べて企業規模が大きいというところにつきます。

その結果として、

  • 型が決まっているアパートの種類が多く、イメージを作りやすい
  • 倒産しにくい
  • 融資を受ける場合はその審査が通りやすい
  • サポートが充実している

といったメリットがあります。サポートの例として、24時間トラブル対応をしてくれたり、築後10年までは初期保証期間を設けていたりします。

一方で、デメリットとしては、

  • プラン設計の自由度が低い
  • 建築費の中に宣伝広告費が含まれている分、割高になってしまう

といったものがあります。カタログが充実している分、細かな対応では工務店に劣るという話はしばしば聞かれます。また、大手ハウスメーカーに建設を依頼すると、広告費や営業費、人件費などが上乗せされてしまうほか、下請け工務店のマージンが発生する場合もあります。

工務店の特徴

工務店の特徴は、企業規模は大きくありませんが、顧客の希望に沿った対応が期待できます。具体的にメリットをあげると、

  • 顧客の希望を最大限生かしたプランを提示しやすい
  • マージンが少なく、予算を抑えることができる
  • 土地が変形地でも比較的柔軟な対応をしてくれる

といったものがあります。同じ建築費であれば、工務店で建てた方が設備の良いプランになるでしょう。一方で、デメリットとしては、

  • 信用性が薄い
  • 融資を受ける場合はその審査が通りにくい

などを挙げられます。企業規模が小さいことが影響してしまっているので、いくつかの競合店同士を比較して良い業者を見つけましょう。

損をすることなくアパートを建てるためのコツ

アパート経営において初期費用を抑えることは、投資計画を立てるうえでとても重要です。しかし業者から提示された見積もりの中には、余分な費用が含まれる場合もあります。つまり、いかに正確に見積もり書を把握できるかが鍵になってくると言えるでしょう。また、アパートは建築費用が高いので、自己資金を用意するかローンを組むかといった問題もあります。

以下ではこれらのコツについて詳しく説明します。

見積もり書の初期費用が安く済んでいる場合には注意が必要

最も見積もりの安い業者に依頼することが正しい判断とは限りません。コストを少しでも抑えようと費用が安いものを安易に選んでしまうと、逆に投資に失敗してしまう可能性があります。

同じ建物構造にも関わらず明らかに費用が安い場合、使われている素材の質が悪いのかもしれません。一方で、もちろん企業独自のノウハウを活かして価格が抑えられている場合もありえます。どういった理由から提示額が導出されているのかは業者に確認をとってみましょう。

建築費用は人それぞれ用意の仕方が違う

アパートの購入時に資金の調達の問題は悩ましいところでしょう。建築費用は数千万、数億円に上りますが、アパート経営ではこれらの額を何年もかけて回収します。もちろん購入時に全額用意できればそれで問題ありませんが、用意できない場合はローンを組むことになります。

ローンを組む場合は、金融機関が不動産投資ローンやアパート経営者向けのアパートローンを用意しているので、それらを活用することになるでしょう。

ローンについて

ローンの金利は1~4%程度です。数%の差ですが、アパートの購入金額を考えると金額としてはかなり大きな差になります。基本的に、メガバンクなどの審査が厳しい銀行では金利が小さく、ベンチャー銀行などの審査が緩いところは金利が高いという傾向があります。

ローンの組み方には変動金利型と固定金利型があります。簡単ですがこの点も違いを理解しておきましょう

変動金利型

変動金利型とは、一定期間おきに金利が変化する返済方法です。金利がそのときどきの金融政策や情勢などから短期的に変動してゆきます。基本的に金利は低く利息が少ないため、返済額は少なくなります。しかし、金利変動により返済額も大きく変動するため、安定した返済計画を立てにくい方法です。

短期的ローンであれば金利の変動の影響を受けにくいため、返済期間が短くなる場合に適した方法と言えます。あるいは多少の景気変動では左右されない十分な資産のある方向きとも言えます。

固定金利型

一方、固定金利型では毎年金利が変わらず、一定額の支払いにより返済します。毎月の返済額が変わらないため、安定した投資計画を立てやすいという特徴を持ちます。一方で変動金利型と異なり金利が変わらないため、経済動向によっては変動金利の方が返済額を少なく済ませられる可能性があります。しかし現在金利水準は最低水準にあり、これ以上金利が下がるとは考えにくいことから、固定金利が好まれています。

とはいえ、変動金利型と固定金利型のどちらを選ぶのがよいのかを正確に判断することはできません。未来の金利の変動を読むことが難しく、投資家自らの判断で選ぶ必要があります。

不動産投資ローンについてのより詳しい解説は以下の記事をご覧ください。

関連記事:不動産投資ローンって何?不動産投資ローンと融資について実例も踏まえて解説

まとめ

アパート経営の建築費用を考える際、建物構造と階数が重要になります。それぞれの建物構造の利点と欠点を理解したうえで、複数の見積もりをもらうようにしましょう。見積もりを比較する際には、投資で重要と考えているポイントをどの程度実現できるのか、あるいは保証の有無を意識しながら、大手のハウスメーカーか工務店のいずれに依頼するのかを考えましょう。

さらに費用を工面するためのローンの理解も必要になり、アパート経営を始めるには多くの知識が求められます。不動産投資のための知識を身につけるためにも、区分マンションやアパートの購入による投資も検討してみてはいかがでしょうか。

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ABOUTこの記事をかいた人

大平 優

プロパティエージェント㈱アセットプランニング部 次長 親しみやすい性格でお客様とのコミュニケーションを大切にし、その中で浮かび上がってきた課題を冷静に分析。不動産・不動産サービスを通じて正確なロジックと緻密なシミュレーションを武器に、お客様の将来的な課題を解決へと導く。