REITと実物不動産、サラリーマンが今はじめるべき投資はどっち?

REITと実物不動産、サラリーマンが今はじめるべき投資はどっち?

REITも不動産投資も、不動産に対する投資という観点では同じ考え方です。数万円から始められるREITは多くの注目を浴びていますが、実物の不動産投資と比較した場合の利回りやリスクについてしっかり理解している人は少ないのが実情です。今回はREITと実物不動産投資について徹底比較し、どちらがサラリーマン投資家に適しているかを明らかにします。

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REITと不動産投資の違い

REITとは「Real Estate Investment Trust (不動産投資信託)」の略で、もともとはアメリカ発祥の金融商品です。仕組みとしては、多くの投資家達から投資資金を集めて、その資金でオフィスビルや商業施設、マンションといった不動産を購入することで、その不動産から得る賃貸収入や売買益を投資家に分配します。日本では2000年頃から導入されたまだ歴史の浅い金融商品です。海外のREITと区別するため、日本ではJ-REITと呼ばれます。

ここ最近になってJ-REITに注目が集まってきている理由として、日銀によるマイナス金利政策の影響や、株式の配当利回りが2%前後であるのに対してJ-REITの予想分配率が3%を超えるといった点が挙げられます。

REITにおいて投資家が実際に購入するものは「受益証券」であり、不動産の所有権それ自体を投資家が得るわけではありません。REITと不動産投資の根本的な違いとしては、不動産投資では不動産そのものに対してお金を投資する一方、REITでは、いわば不動産投資を行う会社に対して投資すると言えます。

詳しいREITのお金の流れや収益の仕組みを知りたい場合は、以下の記事で詳しく解説していますのでぜひご覧ください。特に、REITに関して初心者の方に向けて分かりやすく説明しています。

参考記事:不動産投資信托とは?初心者でもわかる不動産投資の仕組みと注意点

それでは、REITと不動産投資のどちらが自分に適しているのかを、投資において重要な5つのポイント、「利回り」「レバレッジ」「流動性」「騰落率」「税金」に注目して考えていきましょう。

REIT vs 不動産投資【利回り編】

まず、利回りの面でJ-REITと不動産投資の比較をしていきましょう。

REITの投資対象となる不動産には様々な種類があり、オフィスビル、商業施設、住宅の順で多く、またこれらを複合的に組み合わせた商品もあります。最近では特に多くのバリエーションが広がり、ホテルや物流施設といった選択肢も市場に出ています。そのため配当利回りは、地域や銘柄の違いだけでなく、物件の種類や組み合わせによって変わってきます。

2018年6月中旬現在のREITの相場から、実際の利回りを見ていきましょう。

下の表は、REITの全59銘柄のうち、分配金利回りのランキング上位5位までを表しています。

順位 証券コード 投資法人名 運用資産 分配金利回り
1 3463 いちごホテルリート投資法人 ホテル主体型 6.51%
2 3476 投資法人みらい 総合型 5.99%
3 3473 さくら総合リート投資法人 総合型 5.86%
4 3470 マリモ地方創生リート投資法人 総合型 5.86%
5 3298 インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人 事務所主体型 5.84%

(2018年06月17日終値時点)

このように、上位銘柄の分配金利回りは6%を超えるものから5%代後半であることが分かります。ただし留意したいのは、運用資産がホテルやオフィスビル、またはそれらを複合的に扱う総合型である場合には、景気変動による影響で物件価格や空室率が大きく変動するというという点です。これにより、REITの利回りや基準価額が下落するリスクがあります。

なお、この時J-REIT全体の平均分配金利回りは4.07%であり、最下位の59位の分配金利回りは3.15%でした。2013年5月からの約5年間を見てもJ-REIT平均分配金利回りは4%〜3%の範囲を推移しています。

このようなREITの分配金利回りに対して、不動産投資における利回りには、

(年間家賃収入÷物件価格)×100

という計算式で算出される「表面利回り」と、各種管理費や税金等のランニングコストも加味して計算する「実質利回り」があります。

どちらの利回りを計算するとしても、不動産投資は物件毎の種類、地域、条件によって変わってきます。そのため、一概に利回りの相場を出すことは難しいのですが、地方の場合で12%以下、都心になると10%以下が目安となります(どちらも表面利回り)。東京23区に限定すると物件価格が高いことから5%以下の物件が中心になってきます。こちらはあくまで目安にすぎず、振れ幅も大きいので、実際に候補物件や地域相場で利回りを計算すると良いでしょう。

REIT vs 不動産投資【レバレッジ編】

J-REITの大きな特徴として、数万円程度の少ない金額から気軽に投資を始めることができるという点があります。もちろん、数十万円から数千万円といった金額での投資も可能です。

逆に不動産投資の場合は、比較的少額で投資が行える地方のワンルームマンションであっても数百万円がかかり、都心などの一等マンションでは数億円の取引になります。そのため、サラリーマン投資家であれば多くの場合、融資を受けて投資を行います。

銀行などの金融機関から借り入れをして、自己資金の何倍もの大きな投資を行うことを、一般的に「レバレッジを効かせる」と言います。融資を受けてレバレッジを効かせることによって、最終的に得る投資益を大きくすることができます。不動産を実際に購入する場合は、その物件を担保にして借り入れをすることになります。またサラリーマンであれば、与信(信用)を有するため金融機関から借りられる金額も多く、場合によっては頭金なしで物件購入をすることができます。

これに対してJ-REITでは、投資のための融資を受けることはできず、自己資金による投資に限られます。

よって、レバレッジを最大限生かすことができ、資産運用から得られる利益や資産形成のスピードを最大化するという面から考えれば、J-REITよりも不動産投資が適していると言えます。

REIT vs 不動産投資【流動性編】

J-REITが実物の不動産投資よりも優れている点としては、「流動性」が挙げられます。

流動性とは、資産をどれくらい容易に現金化できるのかということを表す考え方です。現金が必要になったときにすぐ手放せるような資産、つまり流動性の高い資産は、使い勝手が良いといえます。

J-REITは、【利回り編】で示した表のように59銘柄(2018年6月中旬時点)からなるREIT市場に上場されています。そのため、全国にある証券会社窓口やインターネット上で、短期間に売買を行うことができます。逆に実物不動産への投資では、売り出してから買い手が付くまでの期間や、決済などを行う期間を考慮すると少なく見積もっても1ヵ月以上の時間がかかります。このことから、実物不動産よりもREITの方が流動性が高く、小回りの効く投資商品だと言えるでしょう。

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REIT vs 不動産投資【騰落率編】

株式投資などでよく使われる単語に、「暴騰」や「暴落」というものがあります。これと同様に、投資信託の価値が基準価額からどれだけ(上下どちらでも)変化したのかを表すのが、「騰落率」という指標です。

先ほどのようにREITの全59銘柄の内、分配金利回りのランキングの上位5位の価格騰落率(1年間)を表で表すと以下のようになります。

順位 証券コード 投資法人名 運用資産 価格騰落率
1 3463 いちごホテルリート投資法人 ホテル主体型 +1.84%
2 3476 投資法人みらい 総合型 +7.47%
3 3473 さくら総合リート投資法人 総合型 +31.76%
4 3470 マリモ地方創生リート投資法人 総合型 +11.91%
5 3298 インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人 事務所主体型 -85.21%

(2018年06月17日終値時点)

このように、価格騰落率は銘柄ごとに大きく異なっているということがわかりますが、J-REIT市場全体の流れを把握する上では、J-REITの投資口価格を指数化した「東証REIT指数」が参考になります。東証REIT指数とは、東京証券取引所に上場している不動産投資信託(REIT)の全体の動向を表す指数です。

2015年以降の東証REIT指数を見ると、2015年9月に1,500ポイントを下回った時が最も低く、その後2016年4月25日の1,981ポイントまで上昇し、再び2017年11月まで減少傾向にありました。2018年2月以降は上昇しており、現在(2018年6月)は1,700〜1,800ポイントの間で上昇を続けています。

2018年2月ごろから日本銀行が2%の物価目標の達成時期を見直す動きがあり、4月には経済・物価情勢の展望から「2019年頃」という期限の記述が削除されました。REITにとって低金利は追い風となるため、金融緩和が続けられればJ-REITの収益も安定する見込みが高くなります。とはいえ、不動産市場全体の市況や、株式市場の動向、また各国の金融政策の動きなど多くのファクターに影響を受けますので、注意が必要です。

REITと不動産投資との間で異なるのは、比較的短期間で売買されるREITに比べて、基準価額の変動が緩やかな現物不動産は売却の判断を下すためにかけられる時間にゆとりがあることです。REITは流動性が高い代わりに、価格騰落のテンポも速く、迅速に売買を行なっていく必要があります。売買益(キャピタルゲイン)を得ることを狙った取引では、実物不動産であってもREITであっても同様にリスクが伴いますが、REITではテンポが早いため、長期的にはより大きな価格変動幅が生まれやすいということに留意すべきです。

REIT vs 不動産投資【税金編】

不動産投資をする上で気になる点の一つに、税金があります。REITと実物不動産それぞれにかかる税金を比べてみましょう。

J-REITの売却益は、給与などの他の所得とは分けて課税される「申告分離課税」が適用されます。申告分離課税の税率は、所得税と住民税を合わせて20.315%です。

一方でJ—REITの配当所得は、「申告分離課税」か、他の所得とひとまとめに税額が計算される「総合課税」かを選択できます。申告分離課税を選択した場合は、株式などの譲渡損失と通算することができますので、場合によっては課税額が抑えられます。逆に総合課税を選択すると、給与所得などと通算して税率が決定され、所得金額に応じて異なる税率が適用されます。基本的には申告分離課税が有利でしょう。

さらに、NISA(少額投資非課税制度)を利用することで、年間120万円まで非課税となります。NISAとは、毎年一定金額の範囲内で購入したこれらの金融商品から得られる利益が非課税になる、つまり、税金がかからなくなる制度です。うまく活用して、支払う税金を抑えると良いでしょう。

現物不動産の場合は、家賃収入(インカムゲイン)は総合課税、売却益(キャピタルゲイン)は個人であれば分離課税になります。売却益に対する譲渡税は、それまでに物件を所有していた期間の長さに応じて税率が異なり、5年以下(短期譲渡)であれば所得税と住民税を合わせて39.63%、5年超(長期譲渡)であれば20.315%が課税されます。

総合課税では、所得が増えるにつれ累進的に高い税率が適用されてしまいます。一方で、申告分離課税では所得金額にかかわらず税率が一定です。そのため、申告分離課税方式で納税できるREITは、インカムゲインが総合課税となる実物不動産よりも、税制上は有利だと言えます。

ただし現物不動産投資では、法人設立などの節税対策が可能となるので、工夫次第では税率を抑えることが可能でしょう。

今サラリーマン投資家がはじめるべきなのは?

不動産投資についての知識がまだあまりない場合、大きな初期費用を必要としないJ-REITの方が、実物不動産投資と比べて始めやすいと感じるでしょう。

しかし、J-REITでは投資ローンを受けることができず、これは実はとても大きな注意点だと言えます。

自己資金が少ないなかで、融資を受けずに投資を行えば、その規模にはどうしても限りがあります。すると、そこから生まれる利益も当然少なくなり、資産を増やすのにも長い時間がかかります。

投資の目的がちょっとした小遣い稼ぎだとすれば、元本割れのリスクも含めて少しJ-REITに挑戦するのは良いことでしょう。しかし、特にサラリーマンであれば、金銭面において安定した収入が将来的に見込めるため、返済能力も高いと見なされ(つまり高い与信があるとして)、金融機関は自己資金の何倍もの融資を行ってくれます。場合によっては、頭金なしといった条件すら可能です。これはサラリーマン投資家だからこその利点です。この強みを生かさずにREITだけで小さな投資を行うことは、もったいないことだと言えます。

参考記事:不動産投資による節税の仕組み解説!経費を使って賢く節税する方法を紹介

まとめ

ここまでJ-REITと実物不動産の違いについてまとめてきました。J-REITへの投資は少ない自己資金からでも始められ、流動性が高いことがわかりました。実物不動産への投資は、融資によるレバレッジが効くという点で有利なため、扱う資産の規模や資産形成のスピードにおいて優れています。

その一方で、総合的には実物不動産の方が多く課税される可能性があり、注意が必要です。J-REITと実物不動産投資それぞれの特徴を理解して、自分に適した投資の形を選ぶことが大切です。最後にREITと実物不動産との比較を表にまとめますので、おさらいに活用して下さい。

J-REIT 現物不動産投資
利回り 3〜6% 表面利回り10%以下(都内の場合)
投資資金 自己資金による投資 融資を利用することで自己資金以上の投資が可能
投資対象 オフィスビル・商業施設・ホテル・物流施設など 戸建て・マンション等の区分所有・アパート1棟など
売買 即時売買が可能

換金が短時間で可能

時間を必要とする
税金(個人の場合) 売却益・配当所得において源泉分離課税 売却益は源泉分離課税

不動産所得は総合課税

リスク 相場変動の影響を受けやすい 空室・災害等のリスクはあるが比較的安定

 

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ABOUTこの記事をかいた人

平松 裕紀

プロパティエージェント㈱アセットプランニング部 次長 10年間で約300件の契約実績を誇る。約75億円の取引に携わる。 現在は、会社のビジョンに向けてグループの運営を行う。 商談に直接参加するのはご紹介と定期的な既存顧客のプランニングが メインとなる。 お客様の大切にされている価値観から課題を抽出、解決し、より良い新たな人生に導く。