不動産投資のキャッシュフローを改善するために、今からでもできる2つの施策とは

不動産投資のキャッシュフローを改善するために、今からでもできる2つの施策とは

不動産投資においてキャッシュフローはきわめて重要な指標です。今回は、キャッシュフローの計算方法をおさらいしたのち、今からでもできるキャッシュフロー改善のための二つの効果的な取り組みについてご紹介します。

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不動産投資におけるキャッシュフローの重要性

キャッシュフローとは

不動産投資に関する説明でしばしば出てくる「キャッシュフロー」という言葉は、現金の出入りの流れのことを指します。このキャッシュフローは帳簿上の利益の金額とは異なります。この違いを十分におさえていない状態で不動産投資を始めてしまうと、利益は出ているのに資金繰りに詰まる状態、すなわち「黒字倒産」と呼ばれる状況に陥ってしまう可能性を増大させてしまいます。まずは、帳簿の上での利益との違いはどのようなものなのか、そして、なぜ不動産投資においてキャッシュフローが重要な指標なのかについて、解説していきます。

キャッシュフローに着目すべき理由

不動産投資には「帳簿上の利益」というもう一つの指標があります。その中で、なぜキャッシュフローに着目しなければならないのでしょうか。それは帳簿上の利益よりもキャッシュフローの方が、より現実のお金の動きを反映しているからです。

そもそも、帳簿上の利益とキャッシュフローでは金額が異なります。それは現金支出を伴わないにも関わらず帳簿において経費として計上する項目があることや、逆に現金支出があっても経費として計上しない項目もあるためです。具体的な金額の相違は特に、減価償却費と借入金の計算方法の違いによって生まれています。

まず減価償却費は、現金支出をともなわない経費の一つです。会計のルール上、不動産のように消耗品ではなく価値が持続し、高額なものについては、購入した年に購入金額を一括して費用に計上するわけではありません。不動産は利用できる各年において価値を発揮するため、その価値を一定の法定耐用年数で分割し、その期間中、毎年費用を計上することとなります。このような会計上の作業を「減価償却」と呼び、これは不動産以外にも、機械や自動車などの固定資産でもよく行われます。

減価償却費は会計上分割して計上され、実際にその支出が行われる時にすべて計上されるわけではありません。購入した年に一括で支払っていれば、実際の現金の移動は購入時に行われ、ローンを組んだのであればローンの支払い時期が、実際に現金が移動する時となります。しかし減価償却においてはこのいずれの場合にも、現金の移動に関係なく、一定期間毎年会計上の費用として分割して計上されることになります。このように処理することで、現金の実際の支出がないものの各年の利益を圧縮することができ、結果として毎年の利益に対して課税される税額(法人税や所得税など)を少なくすることができます。したがって、これはキャッシュフローにおいてプラスの要因だと言えるでしょう。

では一方、借入金の計算方法についてはどうでしょうか。毎月の借入返済額は、元金返済分と利息支払分に分かれています。このうち帳簿の上での経費として計上されるのは、利息支払分のみです。不動産投資においてローンを組んで物件を購入した場合、元金返済分は物件購入に充てた費用となります。それゆえ、上記の通り元金の返済分は減価償却費として実際の現金の移動や返済のタイミングに関係なく、複数年に分割されて計上されています。よって、物件の減価償却費に加えて元金の返済分を経費として計上してしまうと、経費を二重に計上することとなるので、元金返済は経費にあたらないのです。

つまり、元金の返済も利息の支払いも実際の現金の支出を伴うものの、現金の移動と同じタイミングで会計上の経費として計上されるのは、利息支払分のみです。つまり、元金返済分については減価償却とは反対に、実際の現金の流出はあるにもかかわらず、費用として計上することができず、課税額が増える要因となってしまいます。したがって、キャッシュフローにおいてマイナスの要因であると言えるでしょう。

この二つの項目の会計処理を主な原因として、帳簿上の利益と、手元の現金の出入りであるキャッシュフローの額は異なっています。そのため、帳簿上では利益が出ていても、キャッシュフローはマイナスになることもあり得ます。これが積み重なった結果起きてしまうのが、帳簿の上では分からないものの手元に十分な現金がなく資金繰りに詰まる状態、いわゆる黒字倒産です。したがって、より健全性の高い不動産経営を行うためには、キャッシュフローの動きをしっかりと見ておくことが不可欠であると言えるでしょう。

キャッシュフローの計算方法

不動産投資におけるキャッシュフローの額は、以下のように計算することができます。個人の場合、

キャッシュフロー=総収入額-(運営経費+年間ローン返済額+所得税・住民税)

一方で、帳簿上の利益の金額は以下のように算出されます。

帳簿上の利益=総収入額-(運営経費+減価償却費+借入金支払利息+所得税・住民税)

また、

年間ローン返済額=借入金支払利息+元金返済額

なので、

キャッシュフロー=帳簿上の利益+減価償却費-元金返済額

であると言えます。

以上のように、キャッシュフローは帳簿上の利益に減価償却費を加え、さらにそこから元金返済額を差し引けば求められます。これは上で述べたように、帳簿上の利益の計算における減価償却費が実際の現金の移動としては起こっていないのに計上されていること、元金返済額については実際には現金が移動しているのにもかかわらず会計上は計上されていないことによります。

キャッシュフロー計算の具体例

では、具体的な物件の例を用いながら、実際に不動産経営を行っていると想定して、キャッシュフローを計算してみましょう。

今回は以下の例に基づいて計算を行います。

  • 家賃収入額  420万円(月35万円)
  • 管理費     25万円
  • 修繕費     25万円
  • 減価償却費   40万円
  • ローン返済額  240万円(月20万円)

うち支払利息120万円 元金返済120万円

  • 固定資産税   40万円
  • 所得税・住民税  50万円

(すべて一年あたりの合計額)

まず収入は、もちろんここでは家賃収入を指すので

収入=家賃収入=420万円

営業純利益はこの収入から運営経費を差し引いたもので求められます。ここでは管理費、修繕費、固定資産税以外の運営経費が存在しないものとして計算を進めます。

運営経費=管理費+修繕費+固定資産税=90万円

営業純利益=収入-運営経費=330万円 

すでに述べたように、

キャッシュフロー=総収入額-(運営経費+年間ローン返済額+所得税・住民税)

となるので、

キャッシュフロー=営業純利益-ローン返済額-所得税・住民税=40万円

となります。

この場合、帳簿上の利益は

帳簿上の利益=総収入額-(運営経費+減価償却費+借入金支払利息+所得税・住民税)(=キャッシュフロー-減価償却費+元本返済額)=120万円

となります。

このように不動産経営においては、帳簿上の利益がキャッシュフローの金額と大きく異なるということがよくあります。黒字倒産という思わぬ問題を回避するためにも、上のような計算をすることで、帳簿上の利益ほど手元に現金があるわけではないということを意識しておく必要があります。

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キャッシュフロー改善のための施策

繰り返しになりますが、キャッシュフローは以下のように算出されます。

キャッシュフロー=総収入額-(運営経費+年間ローン返済額+所得税・住民税)

したがって、キャッシュフローを増やしていくには、収入額を増やすか、運営経費や年間ローン返済額、税金を減らすかの方法が考えられます。前者の代表的な方法としては、物件を実際に見に行って改善点を見つけ、物件の魅力・価値向上に取り組んで収益を向上させることが挙げられます。後者については、ローン返済額を繰り上げ返済によって減らしていく方法が有効的です。

代表的なこの二つの方法について、さらに詳しく見ていきましょう。

施策1.住居環境の向上に努めましょう

不動産投資は株や債券の投資をする場合以上に、経営的な視点が求められます。それは、不動産投資においては複合的な要素を考慮しつつ、継続的、中長期的に利益を得るために運営を行うことが大切だからです。

では、持続的に収益をあげるためには、何が重要なのでしょうか。その一つとして、物件の状態やその変化をできる限り把握すること、そしてその中で改善点を見つけ、物件の魅力・価値向上に取り組むことがあります。しかし、物件を自分で実際に訪れて細かい要素を把握するのは時間がかかり、特に現役で働いている方には難しいことでしょう。その場合にも、不動産仲介会社や管理会社と丁寧にやり取りを行い、物件の状態を詳しく教えてもらったり、改善点についてしっかり確認したりすることが重要であると言えます。

投資の収益を高めるために物件購入時に確認しておくべきポイントはいくつかありますが、特に重要なのは立地、周辺の環境です。実際に住む人の気持ちになって物件とその周りの環境を吟味しましょう。単身者なのか家族なのか、学生なのか社会人なのかなど、どのようなタイプの入居者を主なターゲットとして想定するのかも考えつつ、物件の利便性を見極めるとよいでしょう。また、内装や外装の消耗の度合いによって必要に応じてリフォームを検討したり、入居者からの要望を取り入れて環境の向上に努めたりすることで、今いる入居者の満足度を上げ、さらには新たな入居者を引きつけることもできます。

施策2.繰り上げ返済を検討しましょう

家賃収入を上げるだけでなく、支出額を減らす方向での対策も考えられます。例えば運営経費を見直し節約することも一つの選択肢として考えられますが、物件の住みやすさの向上にかける経費を削減すると、入居者が離れる結果を招いてしまう恐れもあります。その中で、ローンを組んで不動産投資を行っている場合、ローンの返済の仕方によって、支出額を減らすことができます。それが繰り上げ返済です。

繰り上げ返済とは、ローンを期日よりも早く返すことです。ローン返済にかかる期間を短くすることで、利息支払分の総額を減らすことができ、長い目で見てキャッシュフローを改善することができます。

ここで、マイホームを購入する時と、マンション経営を行う時では、繰り上げ返済をする理由が異なるということを押さえておく必要があります。マイホームの場合に繰り上げ返済をする目的としては、将来の収入減少に備えて早めに返済をしておき、返せなくなるというリスクを避けることが考えられます。これはいわば守りのための繰上げ返済と言えるでしょう。

一方、不動産投資においては、繰り上げ返済はキャッシュフローが増えることにつながるだけでなく、それによって銀行の融資可能額が上がる可能性もあります。融資枠が増えれば、次の投資を柔軟に行うことができ、この効果は長期的にみると非常に大きいものになるでしょう。それゆえ、不動産投資における繰り上げ返済は、新たな投資につなげるという、積極的な意味合いも持ちうるのです。

まとめ

不動産投資においてキャッシュフローは極めて重要な指標であり、キャッシュフローをしっかりと把握することは、不動産投資の健全性を保ち、黒字倒産を防ぐために不可欠です。今回は、キャッシュフローの計算方法をおさらいしたのち、今からでもできるキャッシュフロー改善のための二つの効果的な取り組みを紹介しました。自分でしっかり考え動くことこそが成功への近道です。数字と現場の両方を見ながら、常に適切な対策を打っていきましょう。

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ABOUTこの記事をかいた人

平松 裕紀

プロパティエージェント㈱アセットプランニング部 次長 10年間で約300件の契約実績を誇る。約75億円の取引に携わる。 現在は、会社のビジョンに向けてグループの運営を行う。 商談に直接参加するのはご紹介と定期的な既存顧客のプランニングが メインとなる。 お客様の大切にされている価値観から課題を抽出、解決し、より良い新たな人生に導く。