「借金=悪」じゃない!不動産投資におけるローンとは

「借金=悪」じゃない!不動産投資におけるローンとは

不動産投資の世界では、一個人が数億円の借入を行うことはごく一般的ですが、不動産投資を行ったことのない人の中には、「数億円の借金があるなんて、信じられない!」という感覚を持つ人も少なくありません。しかし、銀行が「普通のサラリーマン・OL」に、巨額の危ない融資を行うはずはなく、個人で億単位の融資を受けられるのには理由があります。本記事では、不動産投資に特有の融資(借金)に関する事情をご説明します。

 

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「借金=悪」か?

不動産投資の際に全額現金で支払えるのならば、融資を受ける必要性は低いでしょう。しかし、レバレッジによる高いROI(投資利益率)というメリットを求めるのであれば、融資を受ける必要があるでしょう。

参考記事:投資の効率性を把握しよう!ROIとは何か?

とはいえ、融資はお金を借りる、つまり借金をするということです。そこに抵抗感を持つ方も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。特に不動産投資を今から始めようとしている方が一番不安を感じ、足踏みをする原因となるのが、借金をしても大丈夫なのか、また実際融資を受けられるのかという疑問でしょう。

特に不動産投資の世界では、普段の生活で個人がお金を借り入れる際よりも大きな額で融資を受けることが多いです。数千万円単位では収まらず、数億円レベルでの借り入れをしている会社員の方も少なくありません。なぜこういったことが可能なのでしょうか。

住宅ローンと不動産投資ローンの大きな違い

不動産投資ローンに対して良いイメージがない、もしくは不安があるのは、一般的に最も身近なローンである住宅ローンと同じように捉えているからだと思います。実は、住宅ローンと不動産投資用のローンとでは、性質が大きく異なります。具体的には、「購入目的」と「返済原資」という面で、全く違った基準によって融資が行われるのです

住宅ローンは、マイホームを購入するために、自己資金が不足している分を銀行などに代わりに払ってもらいます。その後数十年をかけて、給料の中から毎月の返済を行います。給料が安定しているサラリーマンは、金額の大きさの面で返済可能だと審査されれば、住宅ローンを組むことができます。

一方で不動産投資ローンは、不動産投資による利益を目的として、物件を購入するための金額を金融機関から借ります。そして、その物件から毎月得られる家賃収入が返済の原資となります。そのため融資の判断にあたって金融機関が注目するのは、物件が安定して家賃収入を見込めるのかどうかです。

このように不動産投資ローンでは、しっかりと安定して収益を生む物件を選べば、月々の給料を圧迫することなく返済していくことが可能になります。また、購入する物件という実態あるものを担保にしている点も、金融機関からの融資を受けやすくしている一つの背景です。

不動産投資ローンについては以下の記事でも詳しく説明していますのでこちらをご確認ください。
関連記事:不動産投資ローンって何?不動産投資ローンと融資について実例も踏まえて解説

融資を受ける金融機関の違い

ローンを組むことに不安があるもう一つの理由は、金利の存在だと思います。現在の日本は過去にも例を見ない低金利です。そのため、低コストで資金を調達できる環境ではありますが、金融機関によって当然ながら金利は変わってきます。

金融機関には以下の図のように、融資までのハードルの高さと金利の低さによってランクがあります。金融機関ごとの特色を見て、自分が実際に借りる場合を想定してみてください。

政府系

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ランクの中で最も上に位置するのが政府系金融機関です。その中でも個人を対象に融資を行うのが日本政策金融公庫です。日本政策金融公庫の融資は金利が低いにも関わらず、審査がメガバンクなどに比べて厳しくないというメリットがあります。ただし、融資を受ける際の条件の中には他の金融機関にはないものがあるので注意が必要です。日本政策金融公庫の融資の特徴には以下のようなものがあります。

  • 固定金利のみ
  • 融資限度額4,800万円(一般的な不動産貸付事業の場合)
  • 借入期間 最長20年(性別・年齢によっては10〜15年)
  • 基本的には担保物件が必要(担保物件の評価によって金利が変動)
    ※ただし、保証人と担保物件を不要とする融資パッケージあり
  • 不動産貸出事業であること(「不動産投資」には融資がおりない)

審査が通りやすいことからも初心者には利用しやすい金融機関ですが、上記のような注意点があるので確認しておきましょう。

関連記事:借り入れハードルが低い?日本政策金融公庫の特徴を解説

都市銀行

都市銀行とは具体的には、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行といったメガバンクです。金利が低めに設定されており、全国の物件を融資対象として扱っているというメリットがあります。その分、審査のハードルは高めに設定されています。

地方銀行、信用金庫、信用組合

都市銀行と比べて金額の低い小さな融資案件も取り扱っていますが、金利がその分高くなる傾向があります。また、地方銀行など営業を行っているエリア外の物件は融資対象外であるなど制限がある場合も考えられます。

ノンバンク

ノンバンクとは、預金受け入れなどの銀行業務を行わず貸付などの与信業務のみを行っている金融機関です。融資のハードルが低い分、金利がかなり高くなっているのがノンバンクの特徴です。デメリットは金利だけではなく、ノンバンクでお金を借りると社会的信用力が落ちることです。その後都市銀行など上位の金融機関からの融資を受けにくくなるため、ノンバンクからの融資取り付けは慎重に検討しましょう。

このように、融資を受けるにしても様々な借り入れ先があり、金融機関によって融資条件が大きく異なります。また同じ都市銀行でも、審査の際に重きを置くポイントが違ったりするため、自分に有利な条件で融資をしてくれる金融機関を探しましょう。

1億円の融資を受けた場合

それでは、実際に一億円の融資を受けて投資を行うことを想定し、シミュレーションを行ってみましょう。

購入額:1億円

表面利回り:10%

物件:マンション一棟

融資条件:頭金なし、フルローン

不動産を購入する場合、フルローンであっても物件価格の2%〜4%は諸費用として自己資金が必要となるため、実際には200万円〜400万円の自己資金を必要としますが、計算をわかりやすく単純にするため、1億円全てをローンで賄ったとします。

この物件は満室であれば、毎年1,000万円の家賃収入が入ってきます。年利3%、返済期間30年という条件で借り入れを行ったとすると、返済額は月に約42万円となり、年間で約500万円になります。毎年のランニングコストで300万円ほどかかったとしても、手取りで毎年200万円を期待することができます。もちろん、一年を通して満室であるということが条件ですが、この状況であれば空室率が10%でも返済は可能でしょう。

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サラリーマンの信用力は高い

「サラリーマンはお金を借りる時に有利である」という話を聞いたことがある人は多いはずです。実際に住宅ローンを組む時に、それを実感した方もいらっしゃるかもしれません。それは、サラリーマンは「与信」という目に見えない財産を持っているからなのです。

与信とは?

「与信」という言葉は、普段の生活ではあまり耳にしないかもしれません。簡単に言えば、「この人はいくらまでの金額であれば、返済ができる信用がある」と金融機関などが評価することです。つまり、その人個人に与えられた信用こそが与信なのです。そして給与の安定している正社員(いわゆるサラリーマン)であれば、与信がかなり高く設定されます。

例えばサラリーマンの年収と自営業者の年収を単純に比べれば、数字の上でははるかに大きな年収を得ている自営業者であっても、サラリーマンより小さな融資しか受けられないという場合が多くあります。場合によっては自営業者というだけで融資が組めないこともあります。

年齢、年収や金融機関によって違いはありますが、会社員であれば年収の10〜20倍の融資を受けることも不可能ではないので、まずは自分がどれほどの金額を借りられるのかを確認し、次にその上限の中でいくらの物件をターゲットとするのかを決めるのが良いでしょう。

審査の基準は?

実際に自分の借りられる上限を知るためには、金融機関に審査を申し込むことが必要になります。この時、金融機関は投資対象の物件から本当に利益を望めるのか審査するとともに、お金を借りる本人の「個人属性評価」も行います。どれだけ良い物件を見つけたとしても、返済する人が結局信頼できないと判断されれば、お金を貸してはくれません。

では、どのようなポイントが審査の対象になるのでしょうか。

年収

一つ目の基準は年収です。年収の中でも特に過去3年間の年収の推移は詳しく見られ、銀行によってはさらに過去の年収の変化を審査する場合もあります。提出する書類としては源泉徴収票や確定申告書があります。

職業と肩書き

これは上記したように、将来的にも安定した給料が期待できるサラリーマンが有利になります。その中でも、公務員や一部上場企業などで働くサラリーマンをはじめ、国家試験を経てなれる弁護士や医師などさらに安定した職種は評価が高くなります。また、勤続年数が長ければ、それだけ転職による給料の低下といった事態も起こりにくいと金融機関側は考えますので、高い融資金額が期待できます。

提携ローンと非提携ローン

不動産投資で受ける融資には、提携ローンと非提携ローンという二つの選択肢があります。

提携ローンとは不動産会社が提携している特定の金融機関から受ける融資のことです。メリットとしては、低い金利での借り入れ交渉をしてもらえることや、審査が通りやすくなることなどが挙げられます。実際に半数以上の投資家が金融機関へのファーストアプローチとして、不動産業者からの紹介を利用しているというアンケート結果もあります。

一方、非提携ローンは、自分で金融機関へアプローチしローンを受けることになります。この場合、物件を買う不動産会社と融資を受ける金融機関を多くの選択肢から選べるというメリットがあります。しかし、自分の属性にあった金融機関選びから交渉までを自分で行うことになります。

もしも提携ローンを前提とする場合は、自分が物件を買おうとしている不動産会社がどの金融機関と提携しているかに注目してみましょう。

融資申込と全体の流れ

最後に、融資申込書類を提出する時の注意点や必要なものについて説明します。

自分が買う物件が決まり、購入申込をした後に不動産業者と口頭でも価格の合意ができたら、次に融資申込書類を作成し、銀行に提出します。

下の図は不動産投資の大まかな流れを示しています。青い矢印が、融資申請の流れです。融資の申し込みは、不動産業者と契約書の作成を進めるのと同時並行に行うと良いでしょう。

 

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融資を申請する際に必要な書類として、まず「物件に関する書類」があります。これは多くの場合、不動産会社が用意してくれているので、それを取り寄せてください。

次に「収支計画」が必要なケースもあります。これは自分で用意する必要があります。甘い収支計画を作成して事業の優良性をアピールしても、銀行は審査のプロですのであまり効果はありません。むしろ、どれくらい綿密に計画立てているかを示す場だと考えて下さい。

最後が「本人に関する書類」です。ここに収入証明書や住民票、確定申告書などが含まれます。これらを見やすくまとめたものを銀行に提出することになります。

近年は金融機関の審査が厳しくなっていると感じている投資家が増えています。一つの金融機関が駄目であっても、諦めずに次の金融機関に申し込めるように、前もって書類は複数作成しておきます。

これらの作業は上記にあるような提携ローンを活用する場合において、購入する不動産会社が手伝ってくれるケースが多いですので分からないことはプロのアドバイスを参考に進めていきましょう。

そして、融資の審査が通り、同時に不動産会社との契約が済めば、晴れて物件を手に入れることができます。

以上が融資を受けて物件を買うまでの流れになります。

まとめ

不動産投資と、株やFXなど他の投資とを比べた場合、金融機関から融資を受けられるという点が、不動産投資の大きなメリットです。大きな金額が動く分、はじめは不安もあると思います。しかし、正しい基準で自分にあった物件を見つけ、自分の身に合った融資を受けることで、購入後は何年にも渡って安定した家賃収入を得ることができます。
自分の身に合った融資を受けるために、以下の不動産投資ローンについての解説記事も合わせてご覧ください。
関連記事:不動産投資ローンって何?不動産投資ローンと融資について実例も踏まえて解説

 

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