木造アパートへの投資は本当に儲かるのか?メリット・デメリットに迫る

木造アパートへの投資は本当に儲かるのか?メリット・デメリットに迫る

投資のために物件を選ぶ際、木造にするか鉄筋コンクリート造や鉄筋造のマンションにするかで投資の性質が大きく異なってきます。

今回は、木造アパートの経営の概略を説明し、それを通して以下の表にまとめたような木造という建材ならではのメリットとデメリットについてご紹介していきます。

メリット デメリット
(宣伝で表示される)利益が大きい 耐用年数の短さからローンが組みにくく、月々の返済額が大きい
表面利回りが大きい 騒音トラブルのリスクが大きい
修繕・リフォームの一度あたりの費用が安い 修繕・リフォームの一度あたりの回数が多い
災害のリスクが大きい

 

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木造アパートの経営とはどのようなものなのか

はじめに、木造アパートの経営とはどのようなものなのかについて見ていきましょう。

木造アパートの経営とは

木造アパートの経営とは、木造アパートを購入し、部屋を賃貸に出して経営を行っていくことを指します。

一般に、鉄筋コンクリート造や鉄筋造のマンションへの投資では投資先が部屋単位(=ワンルームマンション投資)であるのに対し、木造アパートへの投資ではアパート一棟を丸ごと所有するという投資の形態が一般的になります。

収益を得る方法としては、不動産投資全般に言えることですが、入居者から家賃を徴収することで得る利益をインカムゲイン、物件を売却することで得る売却益をキャピタルゲインと呼び、この2種類が存在します。このうち、現在では不動産本来の価値を表すインカムゲインを重視することが主流となっています。

木造アパートの購入の際に必要な費用とは

木造アパートを購入するにあたっては、物件自体の価格だけではなく様々な費用が必要となります。今回は、5,000万円の中古木造アパートを購入した場合を例にとって考えてみましょう。

  • 登記費用

不動産を購入した場合には、その権利を保全するために所有権の登記を行ったり、不動産投資ローンを利用する場合はその抵当権を登記したりしなければなりません。このような登記を行うには登録免許税と呼ばれる税金を納める必要があり、納税額は売買による所有権移転では固定資産税評価額の2%、抵当権の設定には債権金額の0.4%となっています。さらに、登記を司法書士に依頼すると司法書士手数料も発生します。5,000万円の中古木造アパートを購入した場合、登記には30〜60万円程度が必要となります。

  • 仲介手数料

不動産会社を仲介して購入すると仲介手数料を支払うことになります。この仲介手数料は不動産会社によって異なり、仲介手数料無料という場合もありますが、上限は物件価格の3%+6万円+消費税と定められており、最大では約168万円が必要となります。

  • 固定資産税、都市計画税

土地や家屋を所有している場合には固定資産税、さらに都内などの都市計画区域の市街化区域内に土地や家屋を所有する場合には都市計画税と呼ばれる税金を納めなければなりません。5,000万円の物件の場合、これらは総額で年間10〜25万円になります。

  • 不動産取得税

不動産取得税とは、売買・贈与によって不動産を取得した時、または新築・増築を行った時に都道府県に納める地方税のことを言います。こちらは不動産を取得後すぐに納めるものではありませんが、5,000万円の物件の場合は約40〜70万円を想定しておきましょう。

  • 印紙税

印紙代とは、不動産の売買契約書などの課税文書を作成した際に課税される国税です。金額が5,000万円以下の場合、不動産売買契約書には1万円の印紙が必要になります。なお、5000万円を超えた場合、2万円の印紙が必要です。

この他にも保険料などが必要となることを踏まえると、かなりの費用がかかるということがご理解いただけたのではないでしょうか。物件の価格だけではなく、購入時にはその他の諸費用が必要になるという点に注意しましょう。

利回りについて

木造アパート経営に限らず、不動産投資を行っていく上で重要となるのが利回りです。利回りとは投資金額に対する年間収入の割合を示す指標であり、年間収入と不動産価格のみから算出する表面利回りと、それらに加えて購入時や保有時の諸経費も考慮する実質利回りの2つが存在します。

木造アパートへの投資と鉄筋コンクリート造や鉄筋造のマンションへの投資とを比較した場合、まず収入について言えば、広告などで記載されている限りではアパートへの投資のほうが大きいというメリットがあります。一般に、マンション投資では基本的に投資先が一部屋であるのに対し、木造アパート投資ではアパート一棟丸ごとの所有であり、複数の部屋に投資しているという状態になるためです。

また、利回りにおいても、広告などでは木造アパート投資の方が有利と謳われています。しかし、そこに記載される収入や利回りは、投資先のアパートが満室であることを大前提としております。空室が発生した場合には、当然その分だけ収入と利回りは低下します。さらに、広告に書かれている「利回り」とは「表面利回り」のことであり、実際には諸経費などがかかるためさらに利回りは低くなります。そのため、提示された収入や利回りだけを見て良い物件だと即断するのは非常に危険です。

 

「耐用年数」に鍵がある! 成否を分ける「減価償却」と「ローン返済」について

木造アパート経営を行っていく上で注目しておきたいのが、耐用年数です。耐用年数とは機械や建物などの固定資産が使用可能な見積期間のことを指し、それぞれの固定資産ごとに法律で定められています。木造アパートの場合、耐用年数は22年となっています。

では、この耐用年数がなぜ重要なのかというと、耐用年数が減価償却とローン返済に影響してくるためです。

減価償却と耐用年数の関係

はじめに、減価償却と耐用年数の関係について説明いたします。減価償却とは、固定資産を購入した際に、購入に要した金額を一度に初年度の経費とせず、耐用年数に応じて割り振り償却していくというものです。毎年一定額を計上する定額法と、一定の割合を計上する定率法の二種類があります。木造アパートの場合、法定耐用年数は22年となっています。

なお、新築の木造アパートを購入した場合は通常の耐用年数で分割して費用計上することになるのですが、中古の木造アパートを購入した場合は計算方法が少し異なるので注意が必要です。原則としてその建物の使用可能期間を見積もって耐用年数を決めるのですが、使用可能期間を見積もることは容易ではないため、税法によって簡便法という耐用年数を算出する方法が、次のように定められています。

築年数が耐用年数を超えている場合、耐用年数は

法定耐用年数 × 20%

とされます。

木造アパートの場合は法定耐用年数が22年ですので、

22年 × 20%=4年

となります。

一方、築年数が耐用年数の一部を経過しているが耐用年数を超えてはいない場合は、

( 耐用年数-経過年数 ) + 経過年数 × 20%

で求められます。

例えば、築年数が10年の中古木造アパートを購入した場合は、

(22-10)+10 ×0.2=14年

となります。

耐用年数が変われば、1年あたりの減価償却費も変わります。不動産投資において減価償却費を把握しておくことは非常に重要ですので、購入の際にはあらかじめチェックしておくと良いでしょう。

ローン返済と耐用年数の関係

次に、ローン返済と耐用年数の関係についてです。投資物件を購入する際にはよほどの自己資金がない限り不動産投資ローンを利用するのが一般的ですが、そのローンの融資期間は耐用年数を目安として設定されます。融資を行う金融機関は、不動産に抵当権を設定し、万が一返済できなくなった場合にはその不動産を売却することで残債務の返済を行います。そのため、対象となる不動産の耐用年数は重要な判断基準となり、融資期間は耐用年数以内となることがほとんどです。それゆえ、融資期間が長ければ月々の返済額を抑えることができるので、キャッシュフローの観点から考えると格段に楽になります。一方、融資期間が短ければ毎月の返済額が大きくなり、赤字になってしまう可能性も考えられます。

さて、先に見たように、新築の木造アパートでは法定耐用年数が22年に設定されています。対して、新築の鉄筋コンクリート造の物件では、法定耐用年数は47年に設定されています。そこから、木造アパートの方が鉄筋コンクリート造に比べ、月々の返済額が大きくなりがちになり、またローンが組みにくくなるというデメリットが生じます。

さらに前項で説明したように、特に中古物件の場合には築年数によって耐用年数がさらに短くなります。計算によって求めた耐用年数が直接的に融資期間に影響するとは限りませんが、1つの目安にはなりますので、物件を購入する段階で確認して、収支の見通しを立てておくことが重要です。

 

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騒音トラブル・老朽化…… 管理上のリスクは?

ここからは、鉄筋コンクリート造や鉄骨造と比べつつ、建物が木造であることに伴うリスクの一部をご紹介します。

騒音トラブル

木造アパートならではの管理リスクのひとつに、騒音トラブルが挙げられます。建物の遮音性能は、その構造によって大きく異なり、鉄筋コンクリート造や鉄筋造に比べると木造は遮音性能が低くなっています。そのため、木造アパートでは上下階間や近隣との騒音問題が起きやすくなっています。万が一騒音が原因で住民トラブルが発生した場合、住民が退去し、結果として空室率が高まってしまう可能性も考えられるため、騒音トラブルは非常に重大なリスクであると言えます。

老朽化

木造のアパートは鉄筋コンクリート造や鉄骨造に比べると老朽化が進むスピードが早いという特徴があります。建物の老朽化が進むと、外観が悪くなり室内も古びていくため、必然的に入居者は減っていき、空室率が高まってしまいます。そうした事態を防ぐためには、老朽化した箇所を定期的に修繕したり、リフォームを行ったりすることで綺麗な状態を保ち続ける必要があります。木造アパートでは鉄筋コンクリート造や鉄骨造に比べ、修繕やリフォームの一度あたりの費用が安いというメリットがあります。ただ、木造のアパートは老朽化が速い傾向にあるため、長期的な費用の多寡は一概には言えません。いずれにせよ、毎月のローン返済や諸経費に加え、修繕やリフォームにも少なからぬ費用がかかることは、安定した収益を考える上ではリスクとなります。

地震・火災などの災害

地震や火災などの災害のリスクも、木造アパートでは大きくなるというデメリットがあります。地震が発生した際の耐震性能は、木造アパートの場合、他の構造の物件に比べ劣っているため、地震によって損壊してしまう可能性があります。部分的に損傷するだけであれば修繕費用の支払いのみで済む場合もありますが、万が一倒壊してしまうと未返済分のローンのみが残り、大きな赤字となってしまうことも想定されます。

また、火災もアパート経営では大きなリスクとなります。特に木造アパートでは延焼のリスクも高く、ある部屋で発生した火災がアパート全体に広がり全焼してしまう可能性もあります。

これらの場合に備えて地震・火災保険に加入することである程度の補償を受けることは可能ですが、修繕等に必要な額を全て受け取れるとは限りませんし、復旧期間は家賃収入も得られませんので、やはり大きなリスクと言えるでしょう。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。木造アパート経営がどのようなものか、ご理解いただけたのではないでしょうか。木造アパート経営は表面利回りの点などでメリットはあるものの、減価償却やローンへの影響、木造建築固有のリスクが存在するという特徴があります。木造アパート経営を考えている方は、この点を踏まえてご自身のプランを検討してみてはいかがでしょうか。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

大平 優

プロパティエージェント㈱アセットプランニング部 次長 親しみやすい性格でお客様とのコミュニケーションを大切にし、その中で浮かび上がってきた課題を冷静に分析。不動産・不動産サービスを通じて正確なロジックと緻密なシミュレーションを武器に、お客様の将来的な課題を解決へと導く。