投資の効率性を把握しよう!ROIとは何か?

アイフォン

不動産投資を行なっている方の中に、「ROI」という言葉を耳にしたことがある方がいるかもしれません。
ROIとは投資額に対する回収の効率性を表す指標です。
今回は、ROIに関する基本的な知識や計算方法などについて解説します。

ROIとは?

ROIはReturn On Investment (=投資利益率)の略称であり、投資した資本からどの程度の割合で利益を得ているかを表す指標です。

ROIは株式投資の収益性や企業の総合的な収益性を計測するためによく用いられます。最近では宣伝広告にかかる費用に対して得られる宣伝効果の指標などとしても活用されています。それら多様な用途のあるROIですが、今回は不動産投資における活用法に焦点を絞って解説をしていきます。

ROIの計算方法って?

はじめに、ROIの算出方法を確認してみましょう。

不動産投資で賃貸経営を行う場合、ROIは

ROI = 年間収益 ÷ 自己投資額 × 100

という式で計算されます。企業分析などでROIを利用する場合、自己投資額ではなく銀行からの借入金も合計した総投資額で計算します。

しかし、不動産投資の場合には、銀行からの融資を含めずに自己資本のみでROIを計算します。不動産投資におけるROI(投資利益率)をCCR(=Cash On Cash Return、自己資金収益率)と呼ぶこともあります。株式投資などでは使わない用語なので注意しましょう。

ここで具体的な例に基づいてROIを使ってみましょう。

【ケース1 融資型】ファミリーマンションを5,000万円で購入

・5,000万円のうち1,000万円を自己資本、4,000万円を銀行からの融資で賄った

・表面利回りは10%

・管理費用は家賃収入の40%

・銀行からの融資の返済は年200万

以上のようなケースを考えます。簡単のために、購入時の諸費用や減価償却費などを除いて考えると、この時、

家賃収入 : 5,000万円 × 10% = 500万円

管理費用 : 500万円 × 40% = 200万円

となるので、利益とROIは

利益 = 500万円 — 200万円(管理費用) — 200万円(返済) = 100万円

ROI = 100万円 ÷ 1,000万円 × 100

= 10%

となります。ROIが10%ということは、1年間で自己資本の10%を回収できます。すなわち自己資本を10年で回収できるということを意味します。ROIを用いて計算できる、自己資本の回収にかかる期間は不動産投資の判断時に重要な役割を果たします。

また、上記の計算式からわかるように、自己投資資本を効率よく回収するためには、

  • 家賃収入を増やし、管理費用を減らし、利益を大きくする
  • 銀行からなるべく多く資金調達し、自己資本比率を下げる

という2つの方法があるとわかります。

ROIを利用するメリットとデメリットは?

ここからはROIを活用することによるメリットやデメリットを整理します。そのためにも、まずは先ほどのケース1によく似たケース2について考えてみましょう。

【ケース2 自己資本型】ワンルームマンションを1,000万円で購入

・購入費用1,000万円全てを自己資本で賄った

・表面利回りは10%

・管理費用は家賃収入の40%

以上がケース2です。融資型のケース1と異なるのは、マンション購入費用を銀行に頼らず、全て自分で賄っているという点です。購入時の諸費用や減価償却費はケース1と同じとすると、

家賃収入 : 1,000万円 × 10% = 100万円

管理費用 : 100万円 × 40% = 40万円

となり、この時の利益とROIは

利益 = 100万円 — 40万円 = 60万円

ROI = 60万円 ÷ 1,000万円 × 100

= 6%

となります。

ケース1とケース2とでは準備している自己資本の額に差はありません。しかしケース1の融資型では銀行からの融資を受けて自己資本の5倍の5,000万円のマンションを購入しています。一方、ケース2の自己資本型では自己資本のみを使ってマンションを購入・投資している点に違いがあります。

この違いを考慮することで、ROIのメリット・デメリットが浮かび上がります。

<メリット>

ROIを計算して利用することのメリットは、融資によるレバレッジ効果が一目でわかる点にあります。

レバレッジとは、小さい力で大きなものを動かす“てこの原理”の“てこ”のことを指します。投資の世界では、少ない自己資金に借入金を組み合わせて大きな金額の取引を行って利益を増やすことを、“レバレッジを効かせる“と呼んでいます。

改めて融資型と自己資本型を比較しましょう。両者の違いは銀行からの融資を受けて自己資本よりも高額なマンションに投資をしているか否か、という点でした。

融資型の1年間の利益であるキャッシュフローは+100万円で、自己資本型では+60万円となっています。融資型の方が大きなキャッシュフローを実現していますが、融資を含む総投資額1,000万円あたりの利益率を考えれば、事情は異なります。

自己資本型では総投資額に変化はないため、1,000万円あたり60万円の利益を出していますが、総投資額が5,000万円ある融資型では、投資額1,000万円あたりの利益は

100万円 ÷ 5 = 20万円

と小さくなります。つまり、銀行からの融資も含めた総投資額に対する利益率は、融資型よりも自己資金型の方が高くなります。融資を受ければ管理費用の他に銀行へのローン返済をしなくてはならないため、それだけ総額に対する利益率は低くならざるを得ません。

ただ、こう計算すると、銀行から融資を受けて投資効率が落ちたようにも見えますが、ROIはレバレッジによる投資効率の上昇を適切に表現してくれます。

融資型のROIは10%、自己資本型でのROIは6%となっています。先ほどの“総投資額”に対する利益率では自己資本型の方が優れていましたが、“自己資本”に対する利益率であるROIでは逆転して融資型の値が大きくなっています。同額の自己資本でしたが、融資によるレバレッジを効かせたことで自己資本に対する利益率を上げることができたのです。

また、前章でも述べた通り、ROIが高ければ自己資本の回収に要する期間が短くなり、したがって次の投資にも早く移ることができます。

ROIが6%の自己資本型で自己資本の回収にかかる年数を求めると

100% ÷ 6% = 16.6…

となり、17年かかることがわかります。

一方、ROIが10%の融資型では

100% ÷ 10% = 10

となり、自己資本型よりも7年早い10年で回収できることがわかります。したがって、7年も早く次の投資を行うことができます。

以上のように、ROIはレバレッジの効果を適切に評価できる点に特徴を持つ指標です。また、自己資本の回収に必要な年数を求めることで投資計画の設計にも役立てることができます。

<デメリット>

ROIを確認することのメリットは上記の解説で十分理解していただけたと思います。では、ROIのデメリットとはいったいどのようなものなのでしょうか。

ROIはあくまでひとつの指標なので、確認すること自体には問題はありませんが、信用しすぎてはいけません。

家賃収入の変動

ROIが高かったとしても、利益の根幹をなす家賃収入の変動が大きい物件は良い投資とは言えません。二つの例を比較してわかった通り、総投資額に対する利益率は融資型の方が低くなってしまっています。ROIはあくまである時点での空室率や家賃などから計算される値です。

そのことを考慮せずにROIが高いというだけで投資物件を決めてしまうと、入居者の入れ替わりが激しい物件で空室率が高くなってしまった場合に、ローン返済分の家賃収入さえ確保できないという事態に陥りかねません。

金利の変動

金利の変動にも十分注意しなくてはなりません。ROIが高くなるということは、基本的に銀行からの融資の割合が大きくなるということです。ローンの支払いは家賃収入から捻出しますが、銀行からの融資額が大きくなればなるほど収入に対するローン返済の割合は増え、金利変動の影響を受けやすくなってしまいます。

レバレッジを効かせようとして借入金の割合を増やせば、たしかにROIの数値は大きくなります。ROIが上昇するため、計算上は自己資本回収にかかる年数も早くなり、投資計画は優れたものに見えてしまいます。しかしこのとき、より金利変動の影響を受けやすくなっており、ハイリスクな投資計画になってしまっていることに注意しなければなりません。

以上二つがROIのデメリットとなります。ROIは投資の効率を計算するための指標ではありますが、家賃収入や金利の変動リスクを単純化しているため、その数値単独で投資の良し悪しを評価するのは危険なのです。

他の投資判断指標との違いは?

ここまでROIのメリットとデメリットの両面を説明してきました。ROIは不動産投資を行う上で重要な指標のひとつですが、他にも重要な指標は存在します。この章ではその他の指標の簡単な説明とROIとの使い分けについて解説していきます。

表面利回り

表面利回りはこの記事でも既に登場しました。表面利回りは投資物件の持つ収益率を表しています。計算式は

表面利回り = 年間家賃収入 ÷ 物件価格 × 100

で表されます。不動産情報が載っているサイトには、各物件について必ずといって言いほど表面利回りが記載されています。

しかし、注意すべきは、表面利回りはすべての部屋が満室となっている想定であることが多く、仮に空室があったとしても入居者がいる前提で家賃収入の計算を行う点です。このため、実質的な家賃収入の額との齟齬が生じる場合があります。

実質利回り

実質利回りとは、その名の通り、投資に対する実質的な収益力を表しています。利益を家賃収入から不動産運営費を引いた額とすると、計算式は

実質利回り = (年間家賃収入-諸費用)÷(物件価格 + 購入時諸費用)×100

となります。不動産投資の場合、物件購入費用以外にも様々な費用が発生する傾向にあり、それらを反映させて計算した実質利回りは他の投資と比較する際に重要な指標となっています。

基本的に、管理会社などに支払う運営費は物件ごとの差異がそこまで大きくないため、物件ごとに実質利回りを計算するのではなく、表面利回りから概算するのが一般的です。

また、表面利回りと同様、家賃収入が満室想定のものとなっていることには注意してください。

DCR(Debt Coverage ratio)

DCRは借金返済が安全かどうかの判断基準となります。計算式は

DCR = 家賃収入 ÷ 返済額

となります。返済額に対する満室想定の家賃収入の割合であり、融資型の例であれば

DCR = 500万円 ÷ 200万円

=2.5

という値になります。この値はかなり大きいもので、一般的には少なくとも1.2よりも大きい値であれば銀行から融資してもらえると言われています。しかし、不動産投資の場合は空室リスクやリフォームのリスクなどがあるため、より余裕を持ったDCRの判断基準が望ましくなります。

NPV(Net present value)

NPVは正味現在価値を意味し、投資計画の現時点での価値を推し量るのに利用されます。NPVを求める際には、未来に得られる収益を現在の価値に換算して、購入費用と比較します。

現金は投資によって一定程度増殖できると前提すれば、現在の100万円の方が1年後の100万円より価値を持ちます。その増加割合を割引率と呼び、未来の予測収益を現在の価値に割り戻すために利用します。

例えば、物件価格を5,000万円、毎年の収入を400万円、割引率を5%とすれば、

NPV = -5,000 + (400÷1.05)+ (400÷1.05÷1.05) +…

という式でNPVを求めることができます。たとえば、この例の15年目のNPVは-848.1であり、負の値です。しかしもし21年間家賃収入を得続ければ、NPVは128.4という正の値になります。

このことから、21年の長期的投資計画ならばこの投資には+128.4万円の投資価値があると言えます。この例のように、何年間その収益が続くかの予測に基づいて、投資計画の価値を判定するのがNPVという指標です。

ROIが高いことは良いことなの?

ROIが高いことは良いことなのでしょうか。これについてはすでに解説したデメリットを加味して数値を評価する必要があります。

ROIが高いのであれば、確かに自ら投資した資本の回収にかかる期間が短く、次の投資に早期に移りやすい投資です。基本的にはよい投資ということができるのは事実です。

しかし、ROIが高い投資では、自己資金に比して融資額の割合が大きいことが多く、キャッシュフローが少なくなってしまいがちです。そのため、金利変動や突発的な支出リスクに対して脆弱となるという弱みがあります。

以上のような欠点もあるため、一概にはROIが高いことは良いことであるとは言えません。あくまで、ひとつの目安として利用することが大切です。不動産投資においては様々な指標を見比べて、バランスの取れた物件に投資することが基本であることを念頭に置いておきましょう。

まとめ

今回はROIという指標やそのメリット・デメリットなどについて解説しました。ROIを利用することでレバレッジ効果を反映した投資評価を行うことができますが、その一方、空室率や金利変動のリスクを単純化している点に注意が必要です。

したがって、ROIはあくまで目安にとどまり、高ければ高いほど良いというものではありません。軽視することも盲信することもなく、バランスよく判断されることをお勧めします。

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